熊谷工業、零封で選抜出場を決める!|埼玉県高校ラグビー新人大会 決勝

後半になっても、互いの意地がぶつかる好展開。前半同様、なかなかスコアが動かない。

後半8分、昌平は敵陣深くでラインアウトの機会を得ると、ここでもやはりラインアウトモールを形成する。

バックス陣から「FW落ち着いていけ!」との声が掛かりながら前進したものの、今日は春の嵐。雨の影響もあり、ノックオンをしてしまう。

再びバックスから掛かった「FW切り替えろ!」の声。「あと5分ある!頑張ろう!」仲間を鼓舞する声が、響いた。

チームを率いる御代田監督からも、「大丈夫まだ時間あるよ」と選手たちを落ち着かせる声が飛ぶ。

だが、スクラムでも上回った熊谷工業がジリジリと陣地を広げ、なかなかボールを奪えない。

出足が早く、接点にも強く、セットピースにも落ち着いて対応する熊谷工業フィフティーン。

後半10分過ぎ。熊谷工業の橋本監督から「ダイチ、狙っていいよ」と掛かった声は、ペナルティゴールで点差を広げようという意図だった。

だが、選手たちはタッチキックでトライを狙う。

自信があったのだろう。そしてその自信は、不思議と見ているものにも伝わる。

後半14分、敵陣22mでマイボールスクラムの機会を得た熊谷工業は、スクラムハーフが危なげなくボールアウト。右に放った先にいたのは、またしても13番・橋本ゲームキャプテンだった。

ディフェンスラインのギャップを切り裂けば、試合を決めるトライ。

熊谷工業高校、なんと埼玉県大会(地区予選除く)4戦全て無失点と、圧巻のディフェンス力で選抜大会への出場権を手にした。


フィールド上にキャプテンがいても、ゲームキャプテンは13番の橋本選手。「試合中の判断を任されています」

熊谷工業高校のキャプテンを任されたのは、3番・今井蓮選手。試合中、プレーが止まる度に声を出していた姿が印象的だ。

選抜大会初戦の相手は、花園ベスト8の春日丘高校(愛知県代表)だが「タックルの低さで勝負していきたい。」と力強く語った。

 

花園優勝1度を誇る、熊谷工業高校。元日本代表の堀越正己氏(現在は立正大学監督)など、数多ものラグビープレーヤーを輩出してきた。

久しぶりの、全国の場。古豪復活目指し、開催県枠からの躍進に注目だ。

熊谷工業高校 橋本監督

ーー選手たちの戦いぶりはいかがでしたか
15分という試合時間を意識して練習を重ねました。先取点を取るということ、そして失点ゼロという意識付けも功を奏した。前日練習では、選手たちから『ディフェンスを確認したい』という言葉が出てきた。気持ちが充実している、ラグビーが好きな選手たちです。

ーー選抜大会への意気込みを教えてください
新チームがスタートした時、「俺たちは花園しか目指さない。そのための通過点として、選抜に出よう」という言葉が選手たちからあった。埼玉県代表として、しっかり戦いたいと思います。

昌平高校 御代田監督

ーー準優勝に対する受け止めを教えてください
キャプテンの北川がコンディション良くなく、本人からも「代わりの選手を」という申し出があったが、使い続けた。北川がいなくても戦えるようなチームに強化したいと思います。15分ハーフという試合時間は、スロースターターな昌平にとって難しかったです。

 

昌平高校 北川拓来キャプテン

ーー充分な練習ができなかったと聞きました

練習時間が非常に限られていたため、細かい部分を詰めきれず、より具体的な練習をすることがこの2ヵ月半できなかった。FWは頑張ってくれていたので、昌平の伝統であるBKにトライを取り切る力をつけたいと思います。

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