コンソレーション 埼玉県立熊谷工業高等学校v函館ラ・サール高等学校
課題は「気持ちのコントロール」だった。
風が強く吹いていたこの日、熊谷工業は前半風上に立つことを選択する。
しかし反則からエリアを許せば、先制トライをラ・サールに奪われる。試合開始わずか3分でビハインドの展開は、昨日の1回戦・春日丘戦と同様だった。
「相手に合わたラグビーをしてしまい、最初からトップに持っていく、自分たちのラグビーをすることができなかった」と語った今井蓮キャプテン。
ラックから球を持ち出す場面で3人が塊となり、ゆっくり歩みを進めるのがラ・サール独特のスタイル。リズムを掴むことに、序盤は苦労した。
「修正だよ、修正!」コンバージョンキックが外れると、工業フィフティーンから声が響く。
だがその後もミスや反則が相次ぎ、なかなか流れに乗ることができない。
ラインアウトは上空で風に流されてしまい、マイボールの確保が難しい。接点へのプレッシャー強度も高く、ノックオンを誘われる。
「FW焦ってるよ!」「負けんな負けんな!」自分たちのリズムを取り戻すヒントを、自分たちで探す。
きっかけは、十八番のモールだった。
前半23分、敵陣10m付近でラインアウトのチャンスを獲得すると、それまで高く遠くに放っていたスローイングを手前の4番目掛けてシャープなショートスロー。そのままモールを組み、相手をずらしながら40m弱進んだ。
インゴール直前で崩れペナルティを獲得すれば、敵陣5mの所で再びのラインアウトチャンスを得る。
ラ・サールは「絶対モール!」とラインアウトモールを最大限警戒したものの、熊谷工業が選択したプレーは縦突破を図るパス。
ボールは続かずラックになってしまうが、少しずつグラウンド中央部に寄りながらラックを作り続け、最後は5番・加藤仁稀選手がポール左横へグラウンディングした。
7-5、まずはゲームをイーブンに持ち直した所でハーフタイムに入る。
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