「負けられない」プレッシャー。熊谷工業、選抜で初勝利。|高校選抜ラグビー<熊谷工業v函館ラ・サール>

後半は熊谷工業の鮮烈なトライからスタートした。

11番・塩原悠太選手が右サイドを50m独走。インゴールまで残り5mの所で捕まると、左に展開し13番、15番とテンポよく繋いでトライを奪った。

後半2分、12-5とリードを広げる。

「テンポアップだよ!」

そう、テンポよくボールを回せられれば、自分たちのリズムで前に進めれば、トライを奪える。糸口を見つけた。

後半13分のトライも、テンポが鍵。

ブレイクダウンから少し離れた所にパスを放り、13番の橋本颯太選手が一度体を当てると、12番・大山丈一郎選手が走り込んでトライ。

熊谷工業らしい形のトライに、グラウンドからも「工業テンポ上げれば取れるよ!」との声が聞こえる。

その4分後にも敵陣深い位置でのラインアウトモールから得点を奪えば、勝負あり。

全国高校選抜ラグビーフットボール大会2度目の出場で、熊谷工業として初めての勝利を収めた。

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橋本監督は冬に向けて「攻撃のアタックオプションを増やし、状況を打開する策を作り上げること。武器のディフェンスも磨きたい」と語った。

熊谷工業OBとして「居続けなければいけない場所」と語った全国の舞台。「このジャージを全国に戻せた、と言う気持ちは大きい。でも、花園で見せなければ、本物じゃないですからね」と笑う。

次の埼玉県大会では第1シードになる熊谷工業。追われる者として、冬に再び、全国を狙う。

 

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試合の最初と最後のトライを奪ったのは、函館ラ・サール。

ラインアウトの時には「モール、モール、モール警戒ー!」とリズミカルな声が飛び、ノックオンをしてしまっても「ディフェンスターイム」「今こそ声出せー!」と明るさを失わない。

函館ラ・サールは、最後まで元気のいい、ハツラツとしたチームだった。

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