「やっとセブンズが戻ってきた」岩渕HC・松井キャプテン|エミレーツ・インビテーショナル・セブンズ

現在ドバイで開催されている「Emirates Invitational 7s(エミレーツ・インビテーショナル・セブンズ)」に「JAPAN SELECT」として出場している男子セブンズ日本代表。

国際試合への出場は、2020年3月に行われたカナダ・バンクーバーでのHSBSワールドラグビーセブンズシリーズ以来、実に1年1ヵ月ぶり。

4月2日・3日にWEEK1の大会を終えた5日、岩渕健輔ヘッドコーチと松井千士キャプテンがオンライン合同インタビューに応じた。

WEEK2は、8日・9日に行われる。

岩渕健輔ヘッドコーチ
このような難しい社会状況の中、1年以上ぶりに海外遠征に来て、オリンピックに向けた準備が出来ていることに心から感謝しています。ドバイの大会側も素晴らしい用意で我々を迎え入れてくれています。良い状況の中試合をさせて頂けること、ありがとうございます。

WEEK1では、前向きな点はもちろん、改善しなければならない点も見つかりました。WEEK2に向けて、良い準備を進めていきたいと思います。

松井千士キャプテン
1年ぶりの国際大会、「やっとセブンズが戻ってきたな」と僕ら選手たちも久々の試合を楽しむことが出来ています。

ただWEEK1の結果は4位。負け越しています。WEEK2の大会では優勝が目標です。現在ドバイにいるチームの中で優勝して、オリンピックに向かっていきたいと話をしています。

バブルでの生活について

ーードバイに到着してからの状況を教えてください
岩渕:

入国後、そのままチームはバブルの状況(特定のエリア・場所に留まること)に入りました。最初の3日間は、練習以外は部屋の外に出ることも一切許されず、お弁当も部屋に運ばれていました。入国3日後にPCR検査を実施し、全員の陰性が確認されて初めて、レストランで食事を取れるようになっています。

ロッカーはもちろん全チーム別ですし、食事についても1会場で1チームだけが取れる状況です。大会側が十分な準備をしてくれて、選手たちも安心してプレーしてくれていると思います。

ーーバブルでの生活、いかがですか
松井:
初めての生活ですが、僕たちの中では「意外にいけるな」という感覚です。沖縄の国内合宿時「想定外のことが起きるだろうけど、それも楽しもう」とみんなで話していました。想定外のこともありましたが、そういう環境をも楽しみながら過ごせています。

ーーどのような想定外があったのでしょうか
松井:
一番は食事面です。食事の時間が決まっていたのですが、遅れましたね。でも僕たちはいろんな国に遠征し経験していることなので、ある意味想定内ではありました。

WEEK1について

ーー1以上年ぶりの大会でした。WEEK1を振り返っていかがでしょうか
岩渕:

2日目のケニア・アルゼンチン戦はサポートやキャリーの質が悪くなり、チームとしてたくさんの反省があります。一方で前向きな点としては、初戦のカナダ戦以外ボールの確保が出来るようになりました。

カナダ戦は本当に久しぶりで、選手も私含めたスタッフもみんな緊張して硬くなっていました。前半ポゼッションが取れなかったのは大きな反省点です。ですがそれ以外の試合ではボールが取れないということがなかった、と前向きに捉えています。WEEK2に向け充分改善ができると感じていますし、選手たちもそう捉えていると思います。

松井:
2日目のアルゼンチン・ケニア戦は、コミュニケーション不足からディフェンス面のコネクションが切れてしまいました。結果として1on1のディフェンスになってしまい、抜かれてしまったというのが敗因です。僕たちは1on1でディフェンスするようなチームではないので、チームとしてもう一度、ディフェンスをコネクションしたり、サポートが遅れて独立させてしまうことがないようコミュニケーションを図っていきたいと思います。

ーー各国、どのレベルの選手が来ているのでしょうか
岩渕:
ワールドシリーズに出ている国は全員、トップレベルの選手たちで間違いないと思います。全員知っている選手たちでした。

ーー1年ぶりの大会は、自分たちの現在地を図る大会にもなったと思います
岩渕:
1年以上国際大会がない中で強化を行ってきました。それが良いものだったのか悪いものだったのか、ということが分かった大会でもありました。結果として4位なのでチーム全員満足はしていませんが、過去にワールドシリーズで戦い感じたことよりも、かなり前向きな手応えがあったと思っています。

1年間なかなか世界が見えない中で練習を積んできたので、オリンピックに向けてもう一度、道筋が見えるようになった時間となりました。

松井:
この1年、国内にいるメンバーとしか試合ができませんでした。正直、世界との差がどこまであるのか、自分たちの現在地が分からず不安だった時もあります。

初戦のカナダ戦は自分としてもチームとしても緊張感がある中試合をしてしまったので、実力を出せず終いだったのですが、そのあとしっかり修正することが出来ました。特にスペインにはいつもギリギリの所で負けてしまう試合が多かったのですが、今回勝ち切れたことは大きいですね。

ーースペイン戦は特に、2日目の1試合目という、常々の課題であるスケジュール時に当たりました。勝ち切れた要因は?
松井:
1日目の最終戦、ウガンダとの一戦に勝てて勢いに乗れていました。特にスペインにはこれまで、ホーンが鳴ってから逆転されたこともあります。今回も最後同じようなシチュエーションになりましたが、落ち着いて対応できたからこそ勝ち切れたのかな、と思います。

ーーWEEK1で印象に残っている選手たちの言葉があれば、教えてください
松井:
1年間試合ができなかった。だから「試合を楽しもう」と話をしました。トップリーグも始まっている中、僕たちは試合が出来ていなかったので、みんな試合欲がありましたね。全員が世界大会を楽しむぞ、と「楽しもう」という言葉が選手たちから出ていたと思います。

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