松井主将「家族の力を信じている」本村副主将「チヒトを支える」|東京オリンピック2020ラグビー男子日本代表 Vol.2

日本ラグビーフットボール協会は6月27日、TOKYO2020ラグビー男子日本代表内定選手2名のオンライン合同取材を行った。

東京オリンピックでの初戦まで、あと29日。

それぞれの想いを聞いた。

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松井千士選手

リオオリンピックでバックアップメンバーになってから5年。5年掛かってようやく、12人に選ばれました。

外れたメンバーがいることは分かっていますし、選ばれた責任も感じています。僕たちはセブンズファミリーです。家族の力を信じて、オリンピックでは闘いたいと思います。

ーーリオオリンピックの頃と比べ、成長した所はどこでしょう
一番延びたのはフィジカルです。80㎏くらいだった体重が、今は87g。スピードは落ちずに、ウィークポイントのフィジカルが改善されました。自信になっていますね。

あとはなによりメンタルです。リオでの経験があったからこそ、色んなことに動じなくなったと思います。

ーー残り1ヵ月間で注力することは
明日、対戦国が決まります。対戦国の分析と、どういう作戦で相手を負かすか。チームとして作り上げていきたいです。

ーー1人が複数ポジションを担当します
大会中、故障やシンビンも考えられます。1人が絶対2つのポジションを出来るように、ということで2020年からチャレンジしています。付け焼き刃でやっている感じではない、1年延期したことが活きていると感じます。

ーー目標とするキャプテン像について
リーチさんは生まれ持ったキャプテンシーを持っている方。僕自身はカリスマ性のあるキャプテンではないので、周りの選手たちを巻き込むようなリーダー像を目指したいと思います。横一線になって、チームを引っ張っていくイメージです。1年前からキャプテンを務めていますが、責任を感じると同時に一番は楽しみたい気持ちが大きいです。

ーーバックアップメンバーの4名に想うこと
僕と藤田さんは、バックアップメンバーの気持ちが分かります。ケアをする、というよりも「一緒に闘って欲しい、16人全員でメダルを獲りに行こう」とみんなの前で伝えました。諦めないでやりたい、と言ってくれています。

これから先、同じウエアを着れなかったり選手村にも入れなかったり、メンタル的に厳しくなると思いますが、一緒に闘って欲しいということを言い続けていきたいと思います。

ーーオリンピックについて考える機会を設けたと岩渕HCはおっしゃいました
オリンピックとは本来、夢や希望を与える大会。みんなに望まれる大会でした。でも今は、スポーツより命が大事だとと言われることもあり、僕たち自身ネガティブに考える時期もありました。

僕たちは医療従事者ではないので、命を助けることはできません。でも、ラグビーができます。勇気や希望を持ってもらえるような戦いをオリンピックではお見せしたいです。

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本村直樹選手

――バイスキャプテンとしての役割を教えてください
(松井)千士を支えることです。千士が求めるチームに対して、全員がやりやすいように声を掛けていけたらいいなと思っています。

いま、チームには勝つ時と負ける時の雰囲気に差があると感じています。勝つ雰囲気を作るには、どういう声掛けが必要か。楽しいから勝っているのか、勝っているから楽しいのかは分かりませんが、良いムードの時は流れも凄く良くなります。そういう雰囲気を作るために、試合の入りから全員に声を掛けるように。一番大切なのは、楽しむことだと思っています。

ーー具体的にどのような声掛けをされているのでしょうか
自分がいればチームの雰囲気が明るくなる、やることが明確になる、言語化することで同じ方向に向けるようにすることが自分の役割だと思っています。

そのために、例えば直ぐに行動に移せるような「最初の3歩を意識しよう」「一歩下がろう」など具体的ですぐ行動に移せるような言葉を意識しています。

ーーポジションは
ウイングもフォワードもやっています

ーー日本の強みは
動き出し、相手よりも早く動いて、数で上回ることが日本の『Bee Rugby 』です。数で上回った所での精度を高めていきたいと思います。

ーー他の出場国に比べて、国際試合に出ていません
試合をたくさん経験してオリンピックに臨むことが、コロナ前。今はリスクも考えた上で、いまやっていることがベストだと思っています。

いま対戦相手として合宿に来てくれている外国人選手の中には、帰国せず残ってくれている人たちがいます。そういう選手たちを相手に練習出来ていることはプラスです。

ーー初めてのオリンピックですね
自分が目指してきた所なので、まずは自分のためにプレーをしたいと思っています。

でもここに辿り着くまで、たくさんの方に支えてもらいました。家族もそうですし、所属チームや会社の理解があってこの場に立てていると感じています。自分だけのオリンピックではありません。

関わってきた人が笑顔になってくれたらいいな、と思って戦っていきたいです。

学校を卒業してから連絡を取っていなかった同級生たちからも「おめでとう」と連絡がありました。実はオリンピックがあまりポジティブに捉えられていないこともあり、ニュースを見ないようにしていたんですけど。メンバー入りが決まって、たくさんの人から連絡頂けたことで、応援してくれる人がこんなにいるということが分かったのは嬉しかったです。恩を返したいと思います。

ーー残り1ヵ月、注力したいこと
これまでは個人のスキルにフォーカスしていましたが、いまはチームの時間。サインプレーに時間を掛けています。最後、個人ではなくチームとしてどうやって点を取っていくか、時間を掛け準備しています。

個人としては、大きい選手に対しどう走っていくか調整している所です。ボールを持ったら仕掛けるプレーでチームを引っ張っていきたいと思います。

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