The Side of 慶應義塾大学
昨年は3点差で勝利した帝京大学戦。
「響が作った、ドラマチックな試合」と栗原監督に言わしめたその山田響選手は、今年、笑顔でグラウンドに姿を現した。
芝を触り、後ろを振り返ると顔を綻ばせる。
そして先に入った14人の方を見れば、笑顔でひとつ、叫んだ。
ファーストトライを奪われたものの、前半は慶應の時間帯も多くあった。
得意のラインアウトモールで奪ったトライが1本目。
2本目は、ラインアウトからモールを組むと見せかけて原田衛キャプテンがゴール中央に走り飛び込んだ。
「帝京がモールDFに人を割いてくると予想していた(原田キャプテン)」からこそ生まれたプレーだった。
ただ、後半になると、前半は負けず互角に戦えた1対1で負け、前に出るディフェンスが出来なかった。
「ズラされてゲインされてしまった、後半はうまくやられた」と原田キャプテンは振り返る。
5番・ 村松龍之介選手も「強みのモールで勢いが出なかった」と悔やんだ。
結果は50点差。
「一番残念なのは、途中でメンタルが切れてしまったこと」と栗原監督は言う。
それでも、最後まで「盛り上げよう!」と慶應サイドの円陣から声が聞こえたことは、大学選手権に向けて良い材料であるはずだ。
「最後まで戦い抜く姿勢を準備して、選手権に挑みたい。(栗原監督)」
対抗戦4位で、大学選手権に挑む。
試合後、バックスタンドに長いお辞儀をした選手たち
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慶應義塾大学の原田衛キャプテンと帝京大学の細木康太郎キャプテンは、桐蔭学園高校で全国の頂点をともに目指した仲。
昨年の帝京戦では細木選手が欠場し、「今年は試合しよう」と誓っていた。
しかし細木選手が前節で負傷してしまい、今年もメンバー外。対抗戦での対戦は、叶わなかった。
原田キャプテンが交代し、帝京ベンチの前を通ると、ベンチに座る細木選手から「怪我ないか?」と声を掛けられた。
「高校時代とは違い、(細木選手が)キャプテンとしてチームをまとめていて成長を感じました。上から目線になっちゃいますけど」と笑う。
「だから選手権で戦いたい。」
そのためにも、決勝まで勝ち進む。
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