立正、主将とチームマザーの連携で1部昇格を勝ち取る。崩れ落ちた専修、猛攻も6点届かず。|関東大学リーグ戦1部 入替戦 |専修×立正

The Side of 立正大学

立正大学ラグビー部には、今年初めてつけられた役職名がある。

その名も『チームマザー』。

初代チームマザーを担ったのは、田中裕人選手、4年生。

主戦場はCチーム。そして、寮長。この試合は、ウォーターとしてチームを支えた。


「田中が私生活を見てくれるから、自分はグラウンド上にフォーカス出来る」とは五十嵐拓星キャプテン談

このチームの全ての始まりは、新チーム発足時の五十嵐キャプテンと田中チームマザーのオンラインミーティングだった、と堀越監督は振り返る。

「2人だけのファーストミーティングが良かった。チームカルチャーとして挙げていた『文句を言わない』という言葉を『ノーポイズン』に変換してくれたのもマザー。この『ポイズン』と言う言葉が、コミュニケーションの幅を広めてくれた」という。

試合中は両チームの誰よりも早く水を届け、ウォーターボトルを地面に置けば、まずチームメイトを呼び寄せ小さくまとまらせることに注力した。

「キャプテンの五十嵐がコンバージョンキックで円陣にいないので、そこは自分が担おう、と。チームがやりたいことを明確にするためにも、ひとつの小さなハドルを組むこと心掛けました。(田中)」

トライを奪った後には、一人ひとりの肩を叩きながら笑顔で出迎えた。


初の『チームマザー』という役職には「嬉しかった」

スポンサーリンク

先制トライを奪った直後にトライを取り返される、一進一退の攻防が続いた最初の40分。

「前半はロースコアになると思っていたので、流れが来ると信じてまずは2トライ以内に抑えよう、と。(五十嵐拓星キャプテン)」

言葉通り、14-13と1点を追いかける展開で前半を折り返す。

一転して後半は、最初の20分で5トライ。

敵陣に蹴り上げ、ボールを獲得・もしくは獲得した相手選手へのプレッシャーでボールを奪い、テンポ良く得点を重ねた。

その度にチーム応援席では旗が舞い、チームベンチからは明るい声が飛ぶ。

しかし、待ち受けていたのはラストクオーターでの怒涛の反撃。

一時は最大32点差あったものの、今度は専修に4連続トライを許してしまう。

「最後の体力。前に出るディフェンス、コンタクトの部分で甘くなった」とは、五十嵐キャプテン。


プレイスキッカーを務めた五十嵐キャプテン。9本中8本を沈めた

それでもチームの士気が落ちなかったことが、今年のチームの強みである。

「こっからやぞ!」

「絶対いける!」

「最後までやり切る!」

「100%出そう!」

「取れよ立正!」

ハドルの中からも、そして外からも、声は止まなかった。

「春からこの試合のためにチームを作ってきた。大差がつこうがつかまいが、この戦い方で全試合戦いきった。(堀越監督)」

「1年間やりきったことが結果に繋がったと思います。(五十嵐キャプテン)」

最後は、専修の猛攻を振り切って6点差での勝利。

立正大学が、2014年ぶりの1部復帰を果たした。


ノンメンバー席の前で胴上げされる五十嵐キャプテン

フォトギャラリーはこちら

スポンサーリンク