The Side of 同志社大学
南光希キャプテンは言った。
「自分たちはこの1週間、帝京と戦うためにアタックもディフェンスも準備してきたものがあった。だが、帝京の速さと強さを前にして、それらを出すことが出来なかった。」
前半26分で0対40。
試合の入りで、崩されてしまった。
13番・稲吉渓太選手が抜け、15番・ 山口楓斗選手がキャリーし、大外までボールを回してチャンスメイクをした。
だがインターセプトされると、一気に自陣22mまで戻される。
敵陣でのマイボールラインアウトも、展開した先でターンオーバー。
オフロードを繋がれ、ポール真下に決められたトライもあった。
反撃開始は、前半36分。
敵陣でのマイボールスクラムでFKを獲得すると、クイックスタートから右に左に攻撃を繰り返す。
最後は左サイドへのキックパスを蹴り上げ、ジャストタイミングでキャッチした11番が地面にボールをつけた。
会場のノンメンバー席に大きく掲げられていた「LINK」の横断幕。
仲間が繋いでくれたボールをなんとか繋ごう、とお手玉しながらもボールをキープするシーンもあった。
後半のトライは3本。
同志社がトライを決める度、会場には大きな拍手が響いた。
「同志社、もう一本!」
ともすれば気持ちが切れてしまってもおかしくない、最大52点差。
それでも最後まで戦い続けることが出来たのは、昨年の大学選手権、帝京との一戦を前に辞退した経験があるからだ。
「出られないことが決まったときに、去年の4回生が流した涙を知っている。去年の分も戦うことが出来る、とチーム全体で熱い、強い心を持つことが出来た。(11番・和田悠一郎選手 )」
最後まで戦い、最後までトライを狙い続けた同志社大学。
2年越しの一戦は、幕を閉じた。