「このゲームの主人公は自分たち。」信じ切れた明治が今季ワセダに初勝利で年越しを決める|第58回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準々決勝|明治 × 早稲田

明治:紫紺ジャージ、早稲田:アカクロジャージ

The Side of 明治大学

この試合のテーマは『トラスト』。

信じ切ることができた。だから今季初めて、ワセダから勝利を収めることが出来た。

信じたこと、1つ目。

対抗戦での早明戦終盤、スクラムにこだわった結果、勢いを失った場面があった。

だからこの試合でも後半23分過ぎ、インゴール前でスクラムが続くと、飯沼蓮キャプテンはFWに問うた。

「いけるか。」

FWは答える。

「絶対いけるから、大丈夫。」

敵陣5mスクラムでペナルティを獲得すれば、もう一度スクラムを。

再びのペナルティを得れば、またのスクラムを。

 

残り時間15分で2点差を追いかける明治には、磨いてきたストロングポイントで勝負する自信があった。

22m内に入ったら、FWで取り切るという意識が植え付けられていた。

 

2度フロントローとレフリーが話し合うと、明治ベンチから響いた「まとまり!」の声。

その次のスクラム、アドバンテージをもらいながらスクラムからパスアウトすれば、FW戦で押し込んだ。

 

残り10分で、5点差。

再び、リードを奪い返した。

信じたこと、2つ目。

ファーストトライの後、コンバージョンゴールを外した12番・廣瀬雄也選手。

その20分後、ゴール正面でペナルティを獲得すれば、ショットを選択した。

飯沼キャプテンは廣瀬選手のもとに駆け寄ると、そっと背中に手を当てる。

入ると、信じた。

 

「自分、仲間、自分たちがやってきたことを信じよう、と。このゲームの主人公は自分たちだ、と強く信じることが出来た。」

天理・早稲田とリベンジを果たした飯沼キャプテンは、それまでの『全てを一手に引き受けた』かのような表情から、次の段階のキャプテンシーをのぞかせていた。

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試合前、大石康太バイスキャプテンは涙を流しながら「絶対勝とう」と仲間に伝えた。

それを聞いた、3年生のPR大賀宗志選手は「絶対負けられない」と思った、という。

「練習試合を含め、今シーズン4回目の早明戦。これまでの3回、全て敗れていた。

先週天理に勝って、早稲田にリベンジするチャンスを与えられたので『4年生に全敗はさせられない』という思いで挑んだ。勝てて本当に嬉しい。」

飯沼キャプテンは、同じ言葉を何度も繰り返す。

「まだまだ明治は成長出来るチーム。優勝まで突っ走りたい。」

未完成なチームは、1月9日での完成形を目指し、2022年を迎える。

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