60分の物語
昨日とは打って変わって、風のない2日目。
山形中央対目黒学院の一戦は、オープニングからキック合戦となる。
エリア取り1回目は、全くのイーブン。
2回目は山形中央が蹴り勝ち、3点を獲得するきっかけを作った。
山形中央が見せる堅実で素直なラグビーに、目黒学院は試合序盤、圧される。
「想定以上に硬くなっていた」とは、目黒学院の竹内監督。
「キックでエリア取りを狙う戦法に、付き合い過ぎてしまいました。」
相手陣22mでマイボールスクラムを獲得した山形中央は、球出しに合わせて切り込んだ11番・森本大介選手が大きくゲイン。
インゴール間近まで迫るも、しかし取り切れない。
敵陣でのプレーが続いた前半序盤、トライを奪うことは出来なかった。
「試合前に用意していたプランは要所要所で出せた。ただ自分たちが取り切りたい場面で、あと一歩足りなかった。(森本選手)」
一方の目黒学院は、徐々に試合の流れを掴んでいく。
前半終了直前にハーフウェー付近でノックオンをすると、ピッチに立つ選手たちから聞こえてきた言葉は「目黒、笑顔!!」
自ら招いたピンチの場面にも、意識して口角を上げた。
そのスクラムで獲得したコラプシングからマイボールラインアウトをキャッチすると、SH林星安選手が放り先を探しながら前進しそのままトライ。
後半10分には6番シオネ・ポルテレ選手がシンビンを受け数的不利を招くも、体力の厳しい時間帯でフィジカルバトルを制し、強いボールキャリーからトライも奪った。
3-40。
目黒学院が、2回戦進出を決めた。
後半最終盤、山形中央のWTB森本選手がインターセプトしゴール目前まで迫るも、相手の目黒学院の11番イライシア・サーフ選手に追いつかれトライを取り切ることは叶わなかった。
「自分の長所であるスピードが通用しなかった、悔しかった。また来年、絶対に全国で自分たちが勝てるチーム作りをしていきたい。」
試合中常に仲間に声を掛け、試合最終盤には「終わりやぞ!」「出し切ろう!」と声を張ったのはNo.8菊池優希選手。
「このチームで1年間やってきた。高校でラグビーを終える仲間もいる。自分は大学でもラグビーを続けるが、このチームで、このメンバーでラグビーをするのも最後。だから、『このチーム最後の試合だぞ』とみんなに声を掛けた。一本でもいいから、トライを取りたかった」と話す。
小学校、中学校から一緒にラグビーをやってきた仲間も多い。
「8年間、一緒にラグビーをやってきた人もいる。今までありがとう、大学ではライバルとして互いを高め合って戦おう、と伝えたいです。」
それぞれのラグビーストーリーは、これからも続いていく。
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