準々決勝 慶應志木×深谷|令和3年度 埼玉県高等学校ラグビーフットボール新人大会

60分の物語

慶應志木:タイガージャージ、深谷:青ジャージ

深谷高校

先制点を奪われた。
それでも焦らず試合を組み立てた60分間だった。
野口彰太キャプテンが個人技で奪った2トライ。ダメ押しのトライもバックスが取り切り、ノーサイドを迎えた。
「(先制トライは)自分たちのミスからだったので、ある意味こういう経験を出来たことが次に繋がると思うし、繋げなきゃいけないですよね」と話すは、山田久郎監督。
「次戦はもっと強気に判断出来ればな、と。改善点がしっかりと見つかった試合だったので、良かったです。」
昨季フルバックで出場した1年生の飯塚祐真選手は、今季12番を務める。
13番の野口彰太キャプテンとは、小学校からの仲。センター陣のコンビネーションは抜群だった。
「やるラグビーは変わらない。ボールを動かす深谷のスタイルで、今シーズンも構築していければと思います。」
まずは新人戦優勝。
全国選抜大会で出る課題を関東大会で改善し、花園に向け構築する1年にしたい、と山田監督は話す。
久しく遠ざかっている花園の舞台。
今年こそは、と12月27日から逆算する日々が始まった。
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慶應義塾志木高校

セットプレー全部勝ててるよ」「誇り持とう!前出られてるよ、止められてる!もっと刺さろうぜ!

「ペナライズ多い、逆にペナルティだけ」

明るくて前向きな、そしてクレバーな言葉が飛び交ったのは、慶應志木陣。
逆転のトライを許しても「まだ流れあるよ、全然いけてる」
怪我のためリザーブに回った柏木秀太キャプテンに代わり、ゲームキャプテンを担った加藤光バイスキャプテンも声を発した。
FW戦で押し込み、先制トライを奪った。
しかし次第にプレッシャーを受け、ペナルティから突破を許す場面が増え始める。
竹井章監督は言う。
「この代の子たちは、入学してから10試合も経験していないんです。新チームになった時に前後半戦ったことのあるメンバーを確認したら、部員28人中5人しかいなかった。」
コロナ禍に入学した選手たちだけで構成される代がやってきたことを、実感する。

それでも「これまでの先輩たちと同じような感じにはなってきたかな」と話すのには理由がある。

冬休み、毎日のように試合を組んだ。その数、10試合。

「コロナがあと1ヵ月程度で何とか収まってくれさえすれば、春休みたくさん試合が出来て5月くらいにはまた違うチームになれるんですけどね。」

従来の強化方法が採れない、ままならない練習環境は、今季も続いている。

新型コロナが学生ラグビーに与える影響は、あまりにも大きい。

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