東京サンゴリアス
「カンジナイス、カンジナイス!いいコミュニケーション!」
「Good job、Good job!」
明るい雰囲気が、チームの好調さを物語る。
試合序盤から、東京サンゴリアスの声が大きく響いた。
ザ・サンゴリアスなトライは、前半17分。
ラインアウトをスティールすると中央でサム・ケレビ選手が縦に当たる。強い選手がDFの人数を集めた所で外に振れば、11番・中野将伍選手から下川甲嗣選手に繋いでトライ。
サントリーらしい、アグレッシブアタッキングラグビーなトライに胸が躍る。
「ハドルしよう」
トライの直後でも、まずは気持ちをひとつにすることを忘れない。
前半の早い時間に14点のリードを奪った。
しかし20分を過ぎるとペナルティが嵩み、敵陣に入ることの出来ない時間帯が続く。
4点差まで迫られた前半30分、掛かった言葉は「サントリー、あと10分絶えるよ!」
ペナルティが重なった時にはまたしてもハドルを組み、最後に一言叫んだ。
「サントリープライドだぁ!」
後半も深い時間帯。なかなか得点が奪えず、苦しい時にもベテランの声は大きかった。
「もう一回DFから、ディシプリンもっていくよ!」
声の主は小澤直輝選手、33歳。最前線の仕事人である。
ペナルティゴールを選択されると、腕の表面・裏面に山ほど書かれた戦術を入念に確認しながら、田村煕選手はみなに声を掛けて回った。
後半はノースコア。
求めていた結果は得られなかった。
それでも試合後、真っ先にまた大きな円陣を作ると、方々で声を出し合う。
中村亮土キャプテンは、その円陣から少し離れると、一人腰に手を当て息をついた。
「最初の20分だけでなく80分通してコントロールできるようになっていきたい。一つひとつ強くなっていきたいと思う。」
シーズンの最後に笑うために。
この敗戦が、東京サンゴリアスを強くする。
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