エピローグ
ようやく叶った、オンラインではないキャンプ。
これまでライバルとして戦ってきた仲間と過ごした、ひと時の晴れ舞台は、残念ながら無観客だった。
保護者や家族の方々も観戦に来ることは叶わなかった。
それでもスマートフォンで撮られたたくさんの写真たちを、家に帰って家族と共有する時間があると思うと、それだけで目頭は熱くなる。
本来与えられるはずだった環境や機会が、どれだけ尊く、また大切なものだったか。
随所に織り交ぜられたコーチ・スタッフ陣の想いを、この場に選ばれた52名はしかと受け取ったはずだ。
今はまだ、桜のエンブレムの下に「HIGH SCHOOL」のマークが入った段柄ジャージ。
いつの日か桜のマークだけになった日には、大勢の観客の下で、歓声が木霊する中で試合をさせてあげたい。
だから、その時まで。
怪我なく、病気なく。思いっきりラグビーを楽しみ続けられるように、と願ってやまない。
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