明治大学
試合最序盤の勢いを作ったのは、明治大学11番・東海隼選手と13番・山村和也選手。
2人が核となり、何度もボールを前に進めた。
ファーストトライは、東選手と山村選手が繋いだボールをCTB平翔太選手が受け取り、オフロードで放ればスクラムハーフ柴田竜成選手が走り切って押さえた。
アグレッシブなトライで、明治が7点を先制する。
しかし徐々に早稲田の気迫に押され、前に出ることの出来ない時間がやってくる。
「少し緊張していたかな」と話すのは、この日ウォーターとしてチームを支えた石田吉平主将。ウォーミングアップの時から、選手たちの緊張を感じ取っていたという。
2本続けて、スクラムからトライを許した。
しかしそれでも大崩れしなかったのは、ラインアウトから攻撃を重ねられたから。
次々に縦に当たれば、続けて2本、ラインアウトを起点にトライを取り切った。
1点のビハインドで折り返した後半序盤も、早稲田に2本のトライを許す。
ゲームキャプテンを務めた4番・小椋健介選手が「そもそも個人で負けていた」という通り、早稲田のプレッシャーを跳ね返すことが出来ない。
何か打開策を、とインゴールで組まれた円陣で、小椋選手は仲間に言葉を掛けた。
「やり切るしかない。それが明治。このままじゃ終われない。」
入部して1ヵ月半。
既に明治スピリットは体に染みついていた。
徐々にブレイクダウンで盛り返しはじめると、響いた「明治タイム!」の声。
昨季から続く「残り20分の明治タイム」を踏襲したものだった。
その声に反応するかのように、攻撃に転じる明治陣。
SO仲間航太選手の長いグラバーキックに全力でチェイスしたのは、CTB山村選手。追いつき作ったブレイクダウンでペナルティを獲得すると、クイックスタートからトライを奪った。
続いてFWが押し込みトライを奪うと、タッチラインから15m程の難しい位置からドロップキックでコンバージョンゴールを成功させたのは仲間選手。
48-35、13点差に詰めた。
しかし、試合終了間際にダメ押しのトライを早稲田に決められ試合終了。
4年間のスタートは、悔しい黒星発進となった。