三菱重工相模原ダイナボアーズ
「このような社会情勢の中、無事に全日程を終えることが出来ました。難しい環境の中応援に来てくださったダイナメイトの皆様、シャイニングアークスのファンの皆様、本当にありがとうございました。」
入替戦の2試合ともにゲームキャプテンを務めた安江祥光選手は、シーズンが終えられたことへの感謝、そして花園ラグビー場まで足を運んだ多くのファンへの感謝の言葉で会見をスタートさせた。
先制トライこそ許したものの、ブレイクダウンでファイトし、終始相手のテンポを遅らせた。
たとえラインブレイクを許しても、止めきる。
「試合中に何か問題が起こったとしても、それに対するアクションプランを全員が共通認識で持っていた」とは安江選手。
自身も、フッカーとは思えない適所での絶妙なキックを2度、蹴り上げた。
昇格を決めた後の記者会見でも、決して大喜びをすることはなく、謙虚に言葉を紡ぐ。
「難しいゲームでしたが、シャイニングアークスさんの胸を借りながら、2週間学ぶことの多い日々だったなと思います。」
相手がいなければ成り立たないスポーツ。
そして何より、応援してくれるファン、支援する会社の存在がなければ、ここまで到達しなかったと認識する。
実はシーズン前、三菱重工で働く人々の下へ訪れた。
応援してくれている人たちの姿を、『大勢の人たち』ではなく、1人1人の顔でイメージすることが出来た。
だからこそ「会社のために体を張るんだ」と結束することが出来た、と安江選手は話す。
それは、2018年に日本選手権を制した神戸製鋼コベルコスティーラーズ(当時)の姿にもどこか重なる。
「僕たちは、相模原という地名も背負って戦っています。そのマインドを少しずつ自分たちに植え付けることによって、チームはより固まっていったように思います。」
「リーグワン初年度は、ディビジョン2からのスタート。残念な気持ちもありましたが、ディビジョン1でも戦えるようなバックアップをチーム関係者の方々が施してくれたことに感謝しています。
今年ディビジョン2で戦ったどのチームも、ディビジョン1で戦える力を持っていると感じています。『#D2共闘』として、互いに切磋琢磨出来たこと、嬉しく思います。」
戦国時代と銘打ち幕を開けた、リーグワン初年度のディビジョン2。
勝ち抜いた三菱重工相模原ダイナボアーズは、花園近鉄ライナーズとともにディビジョン1への昇格を手にした。