大東文化大学
気持ちの良い試合の入りだった。
バックスとフォワードが連動し、立て続けにトライを奪ったのはファーストクオーター。
選手たちにも笑顔が溢れた。
しかし法政のキーマンらに走られる回数が増えると、どうしても細かな部分での精度が疎かになってしまう。
「大東元気ないで!」と声が掛かったのは、ゴール前まで攻めるも取り切れなかった時。
流れを上手く引き寄せられなくなると、いつもグラウンド最後尾から仲間を鼓舞する声を出し続けていた選手の不在を思い知る。
共同キャプテンの一翼を担うFB青木拓己選手。母校・御所実業高校で教育実習中のため、この日は姿を見せなかった。
「流れが作れていた中、敵陣で取って帰ることができなかった。そこで相手ペースになってしまった」と振り返るは、もう1人の共同キャプテン・吉瀬航汰選手。
少しずつ空気が変わっていく様を、グラウンドで感じ取っていた。
勝負の後半、両センターが絡みながら大きくゲインするが、最後はオブストラクションでトライならず。
セットピースも噛み合わず、攻撃の起点を失った。
攻撃が続かなかった時には「取り返せばなんの問題もないから」「確実に取って帰ろう」
ペナルティでPGを許せば「取り返してくれ。俺らも取り返す」
逆転のトライ、そしてコンバージョンゴールを決められた時には「まだ、終わっとらん」
最後まで諦めない姿勢は持ち続けたが、しかし最後の一手が繋がり切らず後半は悔しいノースコアに終わった。
試合後「(教育実習で不在のキャプテン)青木に勝利の報告が出来ず残念です」と話した日下唯志監督。「リーグ戦は最後の最後まで混戦になると思っている。今日出た反省点を振り返って、2戦目以降に繋げていきたいと思います」と前を向いた。
吉瀬キャプテンも「課題は敵陣ではトライを取って帰ること。次戦へと繋げていきたい」と話せば、10番・ 落和史選手も「夏合宿からやってきたサポートの部分で修正しきれず、終盤ミスが目立った。得点を取って帰れるように、どのエリアでもマイボールをキープして、ペナルティせず得点に繋げる練習をしていきたい」と語った。
開幕から波乱の展開となった関東大学リーグ戦。
敗れはしたものの、獲得した勝ち点1は後にきっと意味をもたらすはずだ。