60mins ~浦和~
チームを率いるLO福田悠翔キャプテンは、新チームが始まってすぐに怪我を負った。
長い離脱。思うようにプレーできず、苦しいシーズンになっている、と話す。
だからゲームキャプテンはオール埼玉にも選出されたセンターの阪野孝輔選手が務め、福田キャプテンはチームの精神的な統率を担う。
写真左が福田キャプテン
試合は序盤から圧倒した。
コンタクトで上回り、ブレイクダウンで前に出て、FWでトライを重ねる。
守っては零封で、ベスト8入りを果たした。
次戦の相手は深谷高校。2年連続の準々決勝カードである。
ファイトしたいポイントには「ディフェンス、そしてモール」と即答し、浦和っぽいですね、と問えば「そうですね」と笑った福田キャプテン。
気負いすぎず、だが浦和らしく。
体を当てる60分間を目指す。
最後のノーサイド ~所沢北~
昨年の2回戦で戦った相手が浦和高校。55-17で敗れ、先輩たちは引退した。
今年の関東大会予選でも、1トライ差で敗れる。
所沢北高校にとっていわば「超えるべきターゲット」が浦和なのだ。
夏のセブンズでは、予選プールで同じ山に入った浦和に初めて勝利し、ベスト8。決勝トーナメント進出を果たした。
だからこそ15人制でも浦和から勝利を。そして、正真正銘のベスト8に。
15年以上ぶりの熊谷ラグビー場Aグラウンドを目指し、チームは「打倒浦和」を掲げた。
しかし勝負の一戦を目前に、チームの中心選手であるフッカー・金子佑選手が負傷離脱。ピッチに立てないことが決まった。
試合当日。
大きなピースを失った所沢北の面々の手には、「佑」の一文字が大きく目立つ。
聞けば、金子選手自身が一人ひとりの手にマジックで記したという。
金子選手自らの左手には、大きくて濃い「勝」の文字が刻まれていた。
出来る限りのことはした。
準備をして、願いを込めて、ビッグデーを迎えた。
だが、それでも、60分間を通して浦和の圧力を上回ることはできなかった。
試合後、萩野谷直哉キャプテンは後輩たちにある言葉を託す。
「(顧問の)岡田先生と矢島先生についていけば間違いから。」
入学当初は全く手の届かなかった、同じ西部地区の慶應志木や城西川越。それがいつの間にか、勝利できるまでのチームになった。
自分たちの成長に自信を持つことができたのも、先生たちのおかげだと感謝する。
「試合の采配はもちろん、練習メニューの組み立て方も、岡田先生の姿を見て学んでいました。やっぱり本当にすごいな、と思って。」
届かなかったベスト8は、後輩と先生たちへ託した。
↓試合後のインタビュー動画はこちらから↓
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