慶應義塾大学
試合が終わり暫くすると、記者会見場に現れたのは栗原徹監督と今野勇久キャプテン、そして裸足姿の中楠一期選手。
今野キャプテンは席に着くと、ずっと下を俯いたままだった。
口を真一文字に結び、悔しさを噛みしめる。
「一言で、悔しい試合です。終わりです。」
言葉は、それ以上続かなかった。
これまで開幕から4連勝。前節の筑波大学戦では、気合いとプレーとが噛み合う姿を見せていた。
「勝っていた分、チームの雰囲気は上向きだった」とは中楠選手。
今秋初めての黒星、初のノートライに終わったゲーム。
少しばかりの動揺が、窺い知れた。
それでも中楠選手は「恥じることはない」と、残りの試合に目を向ける。
「こういう試合になった時に、真価が問われると思う。4年生が中心となって、強い相手に強いメンタルで挑めるよう、次の試合に向けて良い準備をしていきたいと思います。」
今野キャプテンも「シーズンは続きます。終わってしまった結果は変わらないので、一致団結して、全員で早稲田に向かっていきたい」と前を向く。
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次節は、11月23日。
秩父宮で、100周年となる伝統の早慶戦を迎える。
後半のキックオフ前には笑顔も見えた慶應フィフティーン