鍛錬を表現した國學院久我山が初戦突破。日川は「誰よりも努力してきた3年間」に溢れた涙|日川×國學院久我山|第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会 1回戦

60分の物語

日川:赤黒ジャージ、國學院久我山:紺ジャージ

國學院久我山

11月13日に行われた東京都予選決勝。
そこから僅か1ヵ月半で、國學院久我山のアタックスピードは大きく進化した。
「花園が決まってからの1ヵ月半、フィットネスの所を改善してきました。ブレイクダウンへの寄りを早くし、早いセットアップを意識して練習を重ねた」と話すは2番・清水健伸キャプテン。

言葉通り、強い選手たちがいくつも縦に抜け、ボールを繋ぎきり、そしてバックスが仕留める。

この日奪った8本のトライ中6本が、バックス陣によるスコア。
もちろんFW戦でも圧倒し、スクラムは何度も限界値である1.5mを押し込んだ。
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春の選抜大会を終えてから、1年生も交え決めたスローガンは『錬』。
「鍛錬に百戦錬磨と、様々な案は出ました。その中でも鍛錬を積んで強くなりたい、磨いていきたい、という思いを込め、そして何より練習での鍛錬を結果として残すためにも、今年のスローガンを『錬』としました。(清水キャプテン)」
鍛錬が現れた60分間。
しかしピッチに立っていた選手たちは、今日のパフォーマンスに決して納得していない。
「今日は風上・風下の戦術がぐちゃぐちゃになったり、自分たちのミスが多くなったりしてしまった。2回戦に向け、改善できるところはあります。」
目標は優勝、と迷わずに話す清水キャプテン。
だが、それよりも大事にしたいのは「目の前の一戦一戦を全力で戦って、全部出し切りながら勝ち進んでいきたい」ということ。
足元の一歩を踏みしめながら、次のまた一歩を、仲間とともに作り出す。
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日川高校

キックオフから2本続けて相手にトライを許した日川。
しかし前半13分には、13番・中村瑛太選手のラインブレイクから12番・佐藤瑛斗選手が縦に走り抜けると、会場は沸いた。
一矢報いた力強いトライに、ベンチで見守るマネージャーたちも抱き合って喜ぶ。
しかし喜びも束の間、その僅か3分後にはすぐにトライを奪い返されると、次第に防戦一方に。
試合終了間際には、敵陣ゴール前でのマイボールスクラムを獲得したが、ボールを持ち出す際に手からこぼれ落ちた。
最終スコアは7-52。
追いつくことは出来なかった。
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「相手は強豪校。完全なるチャレンジャーとして、本当に強い気持ちを持って試合に入った」と話すは、チームを率いた9番・飯沼暖キャプテン。

ノーサイドの笛が鳴っても気丈に振る舞っていたが、報道陣から「どんな3年間だったか」と問われると、涙が溢れ出た。

「努力に努力を重ねた3年間でした。自分は(ラグビーが)上手くなかったので、ひたすら練習して。誰よりも努力してきた3年間でした。」

自らの努力を誇りに思うことのできるキャプテンだった。

「キャプテンとして、自分についてきてくれてありがとう。」

仲間の顔が脳裏によぎると、涙は一層、止まらなくなった。


後輩たちには、日川高校のプライドを持って、武器であるディフェンスに磨きをかけて欲しいと願っている

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