長崎北陽台
「3年間、きつい練習をしてきた。この仲間たちとラグビーができて、本当に最高でした。」
言葉をつまらせながら涙ながらに話す白丸智乃祐キャプテンの背中を、1年生の新垣勇人選手(13番)は優しくさすった。
先制のトライは前半14分。
ゴール目前のラックから右に展開し、9番・山根颯太選手から10番・今崎仁選手と繋ぎ、最後は13番・新垣勇人選手が押し込んだ。
5点を先制する。
しかし、前半26分にペナルティーゴールを許し、後半12分に逆転のトライを決められると、3点を追いかける展開へと変わる。
北陽台らしい粘りのディフェンスでボールを持ち、強いプレイヤーたちが縦に当たったが、なかなか前に出ることが出来なかった。
アタックをしながらも下げられるシーンが続いた。
後半ロスタイム。
ラストワンプレーでの、マイボールラインアウト前。白丸キャプテンは仲間に声を掛ける。
「取りきるぞ。やるぞ。」
5分近く攻撃を続けた。フェーズは17を数えた。
だが、「天理のプレッシャーが強かった(白丸キャプテン)」
敵陣に踏み入ることができなかった。
涙に暮れた長崎北陽台フィフティーン。2年連続のベスト8で幕を閉じた。
グラウンドを後にする際、誰よりも深く、長くお辞儀をしたのは品川英貴監督。
「良く戦った、北陽台らしい粘りのDFができたかな。激しさや厳しさ、今持っているものは出し切ってくれたと思う」と、目を赤くさせながら選手たちを称えた。