決勝で輝いた30人|報徳学園×東福岡|第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会 決勝

決勝で輝いた30人

東福岡高校が6年ぶり7回目の優勝を決め、幕を閉じた第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会。

今年1年間の高校ラグビー界を牽引してきた東福岡高校、そして報徳学園高校両チームの決勝戦先発15人を、それぞれ写真とともに振り返る。

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優勝・東福岡高校

<FW>

1番・有田睦選手

福岡県代表として出場した国体・決勝戦では、高いフィールドワークで勝利の立役者となった有田選手。ここ花園でも要所を締める存在として、体を張った。

相手の足を止めるタックルが光った準決勝・京都成章戦。ラインブレイクで勢いづけた準々決勝・佐賀工業戦。決勝戦でも60分間、東福岡の1番として最後まで走り切った。

2番・田中健太選手

ラインアウトでボールを投入する際、笑顔を見せることから愛称は『ほほえみの貴公子』。2回戦の後半は、花園仕様の東福岡ベアーを抱えベンチから応援した。

準々決勝では佐賀工業のプレッシャーを受けスローイングに苦しんだが、準決勝以降は成功率を上げ、攻撃の起点を作る。どれほどの独走トライであっても、トライ後は仲間のもとへ駆け寄る心優しきフッカー。


写真中央が鍋島選手

3番・鍋島孝碩選手

「なべぶー」が愛称の鍋島選手。コーチ陣からも絶大な信頼を寄せられており、強力な報徳学園のスクラムに組み勝った。

決勝戦では日本代表候補の報徳学園1番・前田卓耶選手へのタックルでノックオンを誘い、序盤の流れを引き寄せる。グラウンド上でチームメイトと言葉を交わす姿はいつも熱量が高い。

4番 岡田薫瑠選手

京都成章戦では、同じ中学校出身であり他校で最も仲が良いという森山飛翔選手とマッチアップ。体を張り、1月5日の撃破に一役買った。

決勝戦では流れを明け渡しそうな場面でジャッカルに成功、何度も体を当て今季のDFから流れを掴むゲームメイクに貢献した。国体では「公式戦ではおそらく初めて」というトライも決めている。

5番 舛尾緑選手

FWリーダーとして、攻守に奮迅。キックオフ直前の円陣では必ず2度、ポンポンと仲間の肩をたたく。

ボールを持てば、必ずゲイン。困った時、助けに駆け寄ってくれるのも舛尾選手。グラウンド上で最も頼りになる、心優しきハードワーカーが最前線でチームを引っ張った1年だった。

6番 大川虎拓郎キャプテン

Mr.キャプテン。他校のキャプテンからも「優しい」「みんなに紳士」との呼び声が高い。腰の低い姿勢で在り続けた1年間だったからこそ、それまで流すことのなかった涙を表彰式で溢れさせた姿は、多くの観客の涙を呼んだ。

143人の大所帯をまとめあげたリーダーシップは稀有なもの。しかし応援に駆け付けたノンメンバーと分かれる際には、大きく手を振って笑顔を見せる高校生らしい一面ものぞかせる。

7番 中川一星選手

メインジャンパーとして飛び続けたラインアウト。中川選手がチップアウトしテンポの良い球出しからクイックアタックへと繋げる攻撃も目立った。

決勝戦でもジャッカルを決めたが、ジャッカルには「入り過ぎないように」気を付ける。時には高校生らしい血気盛んな姿も見受けられた1年。花園で、たくましく成長した。

8番 藤井達哉バイスキャプテン

中学時代、同じスクール出身の先輩たちが多く所属していた東海大大阪仰星を応援すべく向かった花園で、ヒガシのラグビーと出会った。東福岡のラグビーがしたい、と大阪から福岡へ渡り3年目。ベストメンバーを組めなかった4月のワールドユースで屋台骨となったのが藤井選手だった。

「グリーン着ているんだから、痛いラグビーしようや。」今年のヒガシとして在るべき姿を体現し続けた1年間。藤田監督の信頼も厚く「本当かわいい。かわいいしかない」と、愛くるしい笑顔はチームメイトにとっても癒しの存在。

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<バックス>

9番 髙木城治選手

3回戦・秋田工業戦から先発復帰した髙木選手。高いプレイスキック成功率を武器に、しっかりと2点・3点を獲得し続け今大会最多得点者に輝いた。

攻撃では必ず内側で最後までサポートに走り、最終的にスコアラーとなるトライも数多かった今シーズン。ターンオーバーした瞬間にラックからボールを掻き出し、スクラムハーフとしてヒガシのワイドアタックを支えた。

10番 高本とわ選手

花園決勝戦で10番を背負い、60分間フル出場できるとは、藤田監督すらも想像していなかった。「誰もができるわけじゃない。本当にすごいリハビリだった」と手放しで讃え、FB石原選手も「他のスタンドオフとは全然違う。中学生の頃から、スタンドオフと言えば高本だった」と信頼を寄せる司令塔。「花園に出るために、苦しい思いも寂しい思いもしてきた。本当にすごい。(藤田監督)」

ぶっつけ本番となった2回戦・開志国際戦での復帰から、10番として再デビューした3回戦・秋田工業戦。そこから準々決勝、決勝とフル出場を果たし、チームメイトと抜群の連携を見せた姿は圧巻。バックスリーダーとしても、120%の務めを果たした。

11番 上嶋友也選手

「ラグビーが楽しい」と、ボールを持てば笑顔に。だが今大会は苦しんだ。決勝戦で思いっきり爆発できたのも、これまでの積み重ねがあったから。「自分がガツガツもらってやろう」という気持ちが、決勝戦でのハットトリックを生み出した。

パワーあふれるヒットでボールを前に運び、ウイングとしての仕事を全う。今大会8トライで最多トライゲッターに輝き、笑顔を見せた。

12番 西柊太郎選手

西選手がいるからこそ出来上がった、今年のヒガシ。昨年の1月5日にはノーサイドの笛が鳴る前から涙を見せ、感情を露にしていた。

あれから1年。1年間通してチームの肝で在り続け、間違いなく今大会ナンバーワンの12番へと成長した西選手は、今年の1月5日に1トライ。決勝でも1トライを決め、チームを勝利に導く攻守で最大の功労者となった。

13番 永井大成選手

新チーム最初の全国大会であった、選抜大会1回戦・國學院久我山戦で1トライ。ビッグインパクトを残した永井選手は、セブンズのカップトーナメント2回戦でも逆転トライを決め、チームに欠かせない選手となった。

国体では決勝戦で急遽、想定外だったスタンドオフでプレー。以降、東福岡でもスタンドオフの練習を「僕スタンドですか、って泣きながら(藤田監督談)」重ねたという。花園では3回戦と準決勝の後半、スタンドオフのポジションに。決勝戦でも試合を決定付けるラストパスを放るなど、チームの躍進を下支えした。トライ後には必ずといっていいほど毎回、トライを取った選手のもとへ駆け寄る。

14番 馬田琳平選手

弾丸ライナーを武器に、今年のヒガシのキッキングラグビーを支えた。だがそのキックも「2年生の菅平合宿で蹴ったらたまたま飛んだ」とあっけらかん。

逆ウイングの上嶋選手とともに切磋琢磨しながらフィールドプレーを磨き、ヒガシのBK3が躍動するためには欠かせないプレーヤーとなった。

15番 石原幹士バイスキャプテン

1月5日が誕生日。悔しかった17歳のバースデー、そこから始まった新チーム。最後尾から仲間にDFのポジション取りを指示する声には、監督も「今年DFでチームを作り上げることができているのも、幹士が最後尾からDFをしなくていいように声を出してくれているお陰」と感謝する。

トライを取ればまず最初に駆け寄る先は、そのトライの肝となった選手。18歳の誕生日は、自らのトライで決勝進出を祝った。

藤田雄一郎監督

「藤田、ありがとう。最後にお前の東福岡で良かったわ。」兄貴分として慕う、京都成章・湯浅泰正監督から託された1月7日への切符。

1年越しで『覚悟とMUST』を実現し、6年ぶりの優勝を掴み取った。

「1月5日、ああいう気持ちになって。監督続けて、良かったです。」生徒たちにとってのガキ大将でありたいと願う。

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