獨協埼玉
「こんなもんじゃないだろ、獨協!」
「声出そう、声出せるじゃん!」
試合中、人一倍仲間を鼓舞していたのが15番・村上虎太郎キャプテンだった。
中学からの内部進学組だが、ラグビーを始めたのは高校生になってから。
「中学では吹奏楽部でした。2019年のラグビーワールドカップを見て、ラグビー格好良いな、やってみたいなと思っていた所、監督からお誘いも頂いていたのでラグビー部に入りました。」
獨協埼玉では、中学と高校で異なる部活動に入る生徒も少なくないのだという。
どれだけトライを重ねられようとも、最後まで「絶対に落ちるな」と仲間に声を掛け続けた村上キャプテン。「力の差があることは分かっていた。だからトライを取られようとも、チームの雰囲気が下がらないように意識して声を出していました。」
今季のチーム目標は花園予選ベスト8。
その一歩手前となる、ベスト16で関東予選を終えた。
川越
強い選手が、強くあること。
強い選手が、仕事をすること。
チームが形作られるうえで、大事な要素である。
この日も、川越のエースたちが躍動した。
No.8小久保星斗選手の前に出る力強いボールキャリーは変わらず、ラックからボールを拾い上げそのままトライを決める。15番・川妻廉太朗選手もチャンスメイクをしながら、自ら5トライ以上を取り切った。
チームに好循環が生まれると、新たなヒーローも誕生する。
11番・大川悠選手は、この日なんと7トライ。この日チームが挙げた15トライ中、およそ半数を一人でしとめ切った。
もちろんそのトライに至るまで、内側で相手を引き付けるFW陣の活躍もある。だが左のタッチライン際ギリギリでもらったボールを、あえて外に2度ステップを切り、トライまで持ち込むその度胸は褒め称えられるべきだろう。
柳澤監督に「いつもステップの練習してるもんな」と声を掛けられると、嬉しそうにはにかんだ。
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