川越東
新人戦の埼玉王者・川越東が、同大会で最も接戦を演じたのが熊谷だった。
19-12。苦い記憶も、まだそう古くはなっていない。
だが、今の川越東には経験値が加わった。
関東新人大会で東海大相模に1点差で惜敗すると、全国選抜大会では1回戦で東福岡と対戦。
全国のトップを肌身で知った翌日には、コンソレーションで古豪・秋田工業に競り勝つなど、高いレベルでの公式戦をいくつも重ねる。
「精神的な成長が大きかった」と話すは、3番・寺山公太共同キャプテン。
「新人戦の時は、不安要素が大きかった。だけど選抜大会を通して、動揺を徐々に減らせるようになったと思う」と成長を感じ取る。
実は川越東、選抜大会を終えるとそのまま大阪は花園へと向かった。
大阪朝鮮や山梨学院など、多くの実力校トーナメントを戦い抜き、実践を積んだ春。
コロナ禍にはやりたくでもできなかった遠征だからこそ、このハードスケジュールを実り多きものとして終えた。
思う存分ラグビーができる、その嬉しさを胸に。
もちろん目指すは、関東予選でも埼玉1位の座だ。
熊谷
細かいスキルが備わっている熊谷。
攻め込まれても、簡単にはトライを許さない。
だがそれでも、関東新人大会に全国選抜大会と公式戦を重ねてきた川越東には及ばなかった。
ディフェンスはチームとしてやらなければいけないこと。当たり前にやること、である。
だから今年は、アタックに注力。速いランナーをバックスリーに揃え、取り切る準備をし挑んだ。
しかしコンタクトエリアで苦戦すると、外までボールを運びきれず。思っていたようなゲームを、組み立てることができなかった。
12番・松本賢志郎キャプテンは言う。
「ブレイクダウンで負け、焦って寄ってしまうと、色んな声も聞こえなくなってしまい外までボールを運ぶ道筋が見えませんでした。」
熊谷と川越東は、新人戦1回戦で対戦。前半12-0とリードしていたものの、後半3トライを奪われ逆転負けを喫していた。
その後2月に行われた都県対抗では、埼玉県代表の主力として熊谷の選手たちが活躍。主将も熊谷・松本キャプテンが担った。
実力があることは間違いない。
だからこそやるべきは、「スローガンの『Breakthrough』を突き詰めること」と松本キャプテンは話す。
今できる最善は、国体予選での優勝。そして、花園予選を第5シードとして迎えることだ。
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