4月28日から福岡県宗像市で開催されている、サニックスワールドラグビーユース交流大会2023。
出場チームは6つの国と地域から集まっているが、海を渡って日本にやってきたのは選手だけではない。レフリーも、4名の海外協会所属者たちが参加している。
今年、24回目の開催にして初めてレフリー団に名を連ねた国を紹介しよう。
スポーツ大国、アメリカ合衆国だ。
アメリカと日本の間では、ワールドラグビー セブンズシリーズ等に日本からレフリーを派遣するなど、かねてよりレフリー交流があった。
そんな縁が繋がり、今年初めてアメリカからレフリーを招へいすることになったのだという。
アメリカ人レフリー第1号となったのは、ウィリアム・ネルソン氏(William Nelson)。北カリフォルニア ラグビーレフリーソサイエティに所属する、25歳だ。
全てのレフリーが「スーパーナイス」。良い人たちに恵まれ、ジェスチャーでコミュニケーションを取ることも苦ではないという
アメリカ西部のカリフォルニア州で生まれ育ったネルソン氏は、ラグビーをしていた両親の影響で小さい頃からラグビーに没頭した。高校はニュージーランドに短期留学。大学はカリフォルニア州にあるサンタクララ大学へと進み、楕円球を追い続けた。
転機が訪れたのは大学生の頃。脳震盪の影響によりプレイヤーを断念せざるを得なくなると「プレーはできないけどピッチには立てる」とレフリーへ転向した。
ネルソン氏にとっては、今大会がアメリカを代表して派遣される初めての大会。
「この大会に参加できることは、この上ない光栄です。サニックスに来ることが、僕の一つの夢でした。しかも僕がレフリーとして最初のアメリカ人。最初で最後にならないようにしないと」と笑った。
だが、心配ご無用。この日審判団の一員として執務にあたっていた、ある日本協会A級公認レフリーはネルソン氏について「レフリングは上手いし、人柄も良い」と讃える。
奇しくも2031年には、ラグビーワールドカップがアメリカで初開催される。
現在25歳。
8年後、果たしてどんな舞台で笛を吹くのだろうか。