ジュニア・ジャパン、筑波、U20。すべて、思いっきり。

5月上旬にサモア・アピアで行われた、ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2023。

ジュニア・ジャパンとして出場したU20日本代表候補たちは、1勝2敗の勝ち点5で大会を終えた。

最終戦が行われたのは、5月13日のこと。

それから僅か1週間後の5月21日、帰国まもなくにも関わらず、所属する大学の公式戦に出場した選手がいる。

筑波大学2年の楢本幹志朗選手(スタンドオフ)と、濱島遼選手(ウイング)だ。

「すぐにU20の活動が再開するので、南アフリカの遠征メンバーに選ばれた場合、春シーズン出場できるのがこの立正大学戦で最後になってしまうんです。だから監督から『立正戦に出したい』と言われ、僕たちも出られるなら出たいです、と答えました。」

そう話したのは濱島選手。

1日もオフを取らず、そのまま筑波大学の練習に合流した。

ジュニア・ジャパンではフルバック、筑波大学ではスタンドオフを担う楢本選手も「日本代表も大事ですが、筑波大学も大事。ここまで来たら両方とも思いっきりやりたかった」と出場の経緯を明かす。


「U20で鍛えられ、特に楢本は『嫌なスタンドオフ』になってくれていました。ゲームコントロールの部分などすごく成長を感じます。U20で育ててもらったかな」とは筑波・嶋崎達也監督談

サモアでは、3戦戦って1勝2敗。

第1戦目のフィジーには、15-72で敗戦。

戦術で抜かれた、というよりも個人の強さで突破され、フィジーらしいオフロードでボールを繋がれた場面が多かったという。

点差的に大差はついた。内容も良くない所はあった。

だが、チームが落ち込むことはなかった。

むしろ「意外とイケるぞ」とポジティブな感想を持ったという。

「タックルで返すシーンも、抜けてトライを取れるシーンもありました。フィジカルでもスキルでも、意外と通用するな、って。(楢本選手)」

次の試合まで、中4日しかない。だから次戦・トンガに向けてどういう戦術で戦おうか、と話し合った結果「もっとアグレッシブにアタックしよう」という方向性を見出した。

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そうして迎えた、第2戦目。トンガとの戦いは、自分たちの戦略が上手くはまった。

「トンガの戦略が分かり易くて、動き方も先読みできた。自分たちの戦略を上手く当て込むことができた」と濱島選手は振り返る。

52-17で大勝した。

第3戦目・サモア戦では、タイトでタフなゲームを切らすことなく戦い抜く。

対戦相手の中には、2019年のワールドカップスコッドだった選手も。スクラムハーフの選手は、大会後そのままセブンズのワールドシリーズへと飛んだそうだ。

一時リードを奪う場面もあったものの、最終的には33-44で敗戦。

格上の相手が並んだにも関わらず、怯まずチャレンジを続けた面々は、試合後一様に悔しそうな表情を浮かべた。

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日本から出て、桜のジャージを着ること。

食事も、気候も、文化も違う環境で戦う大変さを実感した。

「しかも、相手は年上で超フィジカルなチームばかり。中4日での戦いはなかなかハードでしたが、一戦一戦確実に成長することができました。(楢本選手)」

チームを率いるロブ・ペニーHCも、最後には「浦安で合宿していたチームとは全く別チームだ」と讃えたという。

選手たち自身でもその変化を実感することができた、充実の初海外遠征となった。


オフには、サモアらしい海や滝でのリカバリーも。同じ宿舎だったフィジー代表とは、”あっち向いてほい”を教え合うなど異文化交流も経験したという濱島選手

一方で、もちろん個人の課題もそれぞれ見つかる。

第2戦目でフル出場を果たした濱島選手は「自分の成長した面よりも、課題がはっきりと見えた遠征でした。インターナショナルレベルでは通用しないな、って。」と正直に打ち明けた。

その悔しさをもって、タフなスケジュールとなった立正戦にも出場したが、すべては克服できなかったと素直な感想を口にする。

「ウイングとして、余裕をもったオプションを持つことがアタック面では課題でした。内に入ってクロスでもらう所、オフロードでもらう所。そこで僕が余裕を持てていたら、アタックでゲインができる。人を使って人数で勝負することもできる。その『余裕』を持てるようになりたいと思います。」

今週末には、7名の新たな挑戦者を迎え入れ、秩父宮ラグビー場でニュージーランド学生代表との試合を行うU20日本代表。

いよいよ、U20チャンピオンシップに向けた選考が本格化する。

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【試合情報】

U20日本代表 対 NZU(ニュージーランド学生代表)

日程:2023年5月27日(土)13:00キックオフ(予定)

会場:秩父宮ラグビー場(東京都港区北青山2-8-35)

放送:(録画放送)J SPORTS 1 5月27日18:15~20:15

(LIVE配信)J SPORTSオンデマンド

■開場時間
12:00 (キックオフ時間 13:00)

■入場料
無料
※メインスタンドのみのご利用いただけます。正面入口よりご入場ください。
※東入口(バックスタンド側入口)は閉鎖しています。

詳しくは日本ラグビーフットボール協会HPにてご確認ください

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