7月28日(金)から30日(日)まで、長野県上田市菅平高原・サニアパークにて行われた、KOBELCO CUP 2023 第13回全国高等学校女子合同チームラグビーフットボール大会。
関東ブロックは決勝リーグを3勝1敗で、準優勝に終わった。
大会2日目、7月29日(土)に行われた近畿ブロック戦。
ラインアウトモールから、サイドをついたのはSH山本梨月選手(関東学院六浦高校2年)だった。
先制のトライを決めると、全員が笑顔を見せる。
そして選手たちは口々に、「FWサンキュー!」と感謝の声を掛けた。トライに至るまでの過程で力を発揮したFWを、ねぎらう。
コンバージョンキックが成功すると、じっと見つめていた14人は「ナーイス!」と手を叩く。
明るく、何よりも楽しそうにラグビーと向き合う選手たち。
その姿は、見る者に「私もラグビーやりたい!」と思わせる不思議な魔力を生む。
2トライ目はまたしてもセットプレーでのプレッシャーから。
相手ボールスクラムを、思いっきり押した。
するとディフェンスプレッシャーを掛け、ディフェンスをしながらもエリアを押し上げる。
相手陣でボールをこぼさせれば、ボールを拾い上げ一気に展開。WTB丸山希香選手(深谷高校3年)に渡ると、ディフェンダーを振りほどいておよそ20mを走り切った。
「みんなが繋げてくれたトライ。だから、タタタタ、シュシュシュシュ、バーって走りました!(丸山選手)」
その後も強いFWで試合を安定させながら、要所でトライを取り切った関東ブロック。
26-0で近畿ブロックを無失点に抑えた。
関東ブロックの強みはなんといっても、FW。WTB丸山選手は「申し訳ないぐらいFWが頑張ってくれている」と感謝した。
FWリーダーの山口桃佳選手(麗澤高校3年)は言う。
「2時間の練習が、ほぼスクラムやモールだった時もありました。でもそれが今日、しっかりと発揮できて楽しかったです。」
試合中、FWコーチから掛かった声は「第2波、第3波」「バックファイブの押し」など、大学生と変わらない高度な技術。
ハードな練習を繰り返してきたことが、それだけでうかがい知れた。
決勝リーグは各チーム4試合を戦い、勝ち点で順位を競う。
関東ブロックは、東海ブロック戦を残して3戦3勝。
大会最終日の第1試合に勝ち切れば、2017年以来の優勝が決まる。
「やること変わらず、敵陣でプレーして勝つのみ」と決意を語っていた上野花珠キャプテン(関東学院六浦高校3年)。
だが、要のFW戦で対策を講じられ、勢いを掴むことができない。
相手に2つのPGを決められ、0-6。
今大会初の無得点で、勝利とはならなかった。
結果、九州ブロックと勝ち点で並んだが、総得失点差で2位。
昨年も得失点差で優勝を逃しただけに、一様に悔しい表情を見せた。
だが、大会を通して1トライすら許さなかったことは大いに評価できる点である。
そして何よりも、楽しくラグビーに興じる姿は、見る者をも楽しくさせた。
「中学時代に一緒のチームでプレーしていた子や、ユースチームで一緒になった子も多く、和気あいあいと過ごせました。それがチームとして、みんなでまとまれたのかな、って。(上野キャプテン)」
チーム関東女子、来年こそは望む結果を手に入れたいと誓う。
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