お盆の時期には全国から高校ラグビー部が集う長野県は菅平高原。
8月12日(土)には桐蔭学園高校と東福岡高校が練習試合を行い、桐蔭学園高校が33-29で勝利を収めた。
試合内容
春の全国高校選抜大会の決勝カードである、桐蔭学園 対 東福岡の一戦は、桐蔭学園ボールでキックオフを迎えた。
ファーストアタックは東福岡。
主導権を握ろうと蹴り込んだボールにウイングを走らせたが、惜しくも相手陣インゴールでノックオンの判定を受けた。
その後2つ連続で東福岡がペナライズされれば、敵陣深くでのラインアウトを獲得した桐蔭学園。
モールを押し込み、先制トライを奪った。
前半5分、桐蔭学園が5点をリードする。
しかしすぐに取り返した東福岡。
キックオフボールを相手陣深くに蹴り込み、ディフェンスラインを一気に上げる。
最後はWTB西浦岳優選手が、グラウンド左隅に押し込んだ。
5-5、同点に戻す。
勢いに乗った東福岡は、その後も素早いパス回しでボールを繋ぎ、2つのトライを連続で重ねた。
1番・沢田海盛選手が体を当てながらこじ開けたトライに、ゴール前でのFW戦からFL中山英琥選手がポール真下に押し込んだトライ。
一気に12点を追加し、5-19と主導権を握る。
この日いくつかのラインブレイクとハードキャリーを見せた沢田選手だったが「キャリーが全然、まだまだ」と自己評価は40点に留まった。「一人ひとりのコンタクトでは勝てていたが、スタミナが落ちた後半途中から集中力が切れノミネートミスが起きた。FWを強くしないと、と思っています。」
だが、ブレイクダウンでは負けない桐蔭学園。
「俺ら勝ってるから!」と発したのは、FL新里堅志選手。自信を持って挑めば、ジャッカルが決まった。
またしてもラインアウトモールを押し込み、12-19。点差を7点に詰める。
勢いを明け渡したくない東福岡は前半28分、ゴール前で獲得したペナルティでPGを選択すると、しっかりと沈め12-22。
このままの点差で前半が終わるかと思われたが、終了間際に桐蔭学園が魅せる。
No.8城央祐キャプテンがゴール前で鮮烈なラインブレイク。そのままインゴールまで持ち込み、トライを決めれば3点差まで詰め寄った。
19-22、前半を東福岡の3点リードで折り返す。
流れを掴んだ桐蔭学園は、後半も最初のトライを決めた。
またしても城キャプテンのラインブレイクから、押し込む。
後半6分、ついに桐蔭学園が26-22と逆転に成功する。
その勢いのまま後半12分には桐蔭学園がドロップゴールを狙ったが、ここは不成功。しかし更なる得点を狙うべく、僅か1分後、FB吉田晃己選手から城キャプテン、そしてFL申驥世選手へと繋がり、ゴール中央にトライが決まった。
33-22、リードを11点に広げる。
なんとか追いつきたい東福岡はペナルティを獲得すると、この日好調だったラインアウトで一気にトライを目指した。
しかし敵陣ゴール前でミスが出る。ボールは相手に渡った。
1年生CTB半田悦翔選手のジャッカルが決まり、またしてもラインアウトのチャンスを得たが、ここはノットストレート。
決めきりたい場面で、ミスが続いてしまう。
それでも諦めない東福岡は、残り時間と点差とを意識した戦いを続ける。
「残り7分、11点差!」
グラウンド上では、常に時間とスコアを意識する声が掛けられた。
ようやくの攻撃が実ったのは後半26分。
右サイドでラインブレイクすると、14番・松尾佳大選手が走り切って中央でトライ。
コンバージョンゴールもテンポよく決めれば、33-29。4点差まで追いついた。
1トライで逆転可能な点差に、残り時間は両チームから声が響く。
「FW上げろ!」と発したのは、桐蔭学園CTB諸田章彦選手。
「タックル仕留めろ!」と気を吐いたのは東福岡SH利守晴選手。
激しいボールの争奪戦が繰り広げられると、最後は桐蔭学園が東福岡のボールキャリアーに強烈なタックルを見舞ってノックオン。
33-29。
3月31日以来の戦いは、4点差で桐蔭学園が勝利を収めた。