勝利の女神にデザートを|城東|いざ、花園へ 2023

12月27日に開幕する、第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会。

徳島県代表・徳島県立城東高等学校は、7大会連続17回目の出場を決めた。

かつては部員数が15人に足りず、他部から数か月間、助っ人選手を借りながら全国大会に出場したこともある城東高校ラグビー部。

だが、入念な勧誘策を講じたことが功を奏す。

徳島県屈指の進学公立高。城東高校に合格したとの情報を聞きつけると、あの手この手でラグビー部へいざなった。

今ではなんと、部員数36名。「やっとアタック・ディフェンスの練習が15人対15人でできるようになりました」とSO池渕紅志郎キャプテンは話す。

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そんな城東の一つの特徴が、言葉力にある。

例えば、今年の夏合宿で掲げたテーマは『バーベキュー』。

その意味を、池渕キャプテンはこう説明した。

「家の中で肉を焼いたら、ただの焼肉。だけど屋外で肉を焼くだけで、バーベキューになる。僕たちは、みんなでワイワイしながら楽しんでラグビーをしたい。」

試合前のウォーミングアップでも、S&Cトレーナーが意図的に盛り上げるミニゲームを行う。そのおかげで「試合でもキックオフから爆発できるようになった」と効果を話した。

きっかけは、夏の7人制全国大会だった。セブンズユースに選ばれている選手も、高校日本代表候補の選手もいる中で、試合序盤はかみ合わないプレーが続く。

「周りの雰囲気を見て、確認して、よし大丈夫だ、と安心してから飛び込んでくるような。お祭りの第2波、第3波で飛び込んでくるような様子をうかがうようなチームの雰囲気」と、伊達圭太監督は当時説明していた。

だから徳島に帰ってからは意識的に、試合前のアップから大きな声を出そうと訓練を重ねる。

その成果が、夏の菅平合宿で既に現れ始めていた。

強豪校相手にも、接点でインパクトを残せるまでになる。

「バーベキューの最後、勝利の女神は何を喜ぶか。デザートだよね。」

そういう『最後のダメ押しとなるようなプレー』ができるようになろう、と稲垣宗員コーチは語った。

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高校日本代表候補にも名を連ねる、池渕キャプテンの熱量は高い。

厳しい夏の菅平合宿の終盤でも「まだまだ菅平に居たい」と口にするほどラグビーに情熱を燃やす。

「まだまだ試合したい。あと2週間くらい、ここに居たい。」

ラグビーが好き。負けず嫌い。もっとラグビーが上手になりたい。

様々な、ポジティブな感情は渦巻く。

昨年の花園では、ラストワンプレーで逆転を許し、悔しい1回戦敗退となった城東。

過去最高成績は、2回戦進出。

今年こそ、悲願の年越しへ挑む。

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