試合概要
第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会 1回戦
【対戦カード】
天理高等学校(奈良・2大会連続65回目)× 早稲田実業学校高等部(東京第1・3大会ぶり8回目)
【日時】
2023年12月27日(水)13:25キックオフ
【場所】
花園第1グラウンド
試合結果
天理 14 – 7 早稲田実業
攻守光った一戦。
差をつけたのは、ゴール前でのラインアウトディフェンスの差だった。
前半は天理が、後半は早稲田実業が攻撃を仕掛ける。
前半9分、天理が敵陣5mラインアウトを獲得すると、モールを組みそのまま7番・清水翔太郎選手がトライ。
15番・山﨑祥永選手のコンバージョンゴールも成功し、7点を先制した。
その6分後にはラックから繋いだパスを受け取り、右サイドを走りきった11番・松原久善選手。
リードを14点に広げ、前半を折り返した。
後半開始早々、トライを取ったのは早稲田実業。
ゴール前でのラックからテンポよくバックスで繋ぐと、最後は11番・大内颯真選手が左隅でトライ。
10番・田中大斗選手のゴールも決まり、7点を返した。
その後も早稲田実業は何度もゴール前へ迫ったが、光った天理のディフェンス力。
天理が7点のリードを守り切り、2回戦へと進出した。
天理
後半終盤、7点差に迫られ迎えたゴール前ディフェンス。
最も苦しい時間帯に、一つの大きな声がかかった。
「天理、楽しむでー!」
この状況下において、おそらく最も対角線にあるであろう言葉が発せられる。
その意味を、2番・内田涼キャプテンはこう説明した。
「自分たちは奈良県決勝で御所実業さんと戦いました。モールディフェンスは常に練習し続けてきたプレーです。一つの強みとして持っているので、相手がたとえモールを組んで来たとしても粉砕する、という気持ちで『楽しむぞ』という声を掛けていました。」
粉砕する、そのために楽しむ。
今年はノーシード。どこまで楽しみきれるか。
早稲田実業
キャプテンを務めるは、7番・多田陽道選手。
中学生の頃から変わらないという、短く刈り上げた髪型が、その人柄を物語る。
グラウンド外では接しやすいキャプテン。だが一度グラウンドに入れば、とにかく真面目。
「自分たちをプレーで引っ張ってくれました」と話すのは、この日トライを決めた11番・大内颯真選手だ。
前半、トライセーブに走ったシーン
目標であった花園年越し。
東京都予選を勝ち抜き、3大会ぶりに掴んだ冬の舞台だった。
トライか、と思われた攻撃はグラウンディングが認められずノートライに。
あと一歩が、どこまでも遠かった。
先発のFWとハーフバック団、あわせて10人は全て3年生だったが、センター・バックスリー陣は下級生が務めた早稲田実業。
この経験を、継ぐ者として。大内選手は言う。
「1年間レベルアップして、来年はしっかり目標を超えられるよう頑張っていきます。」
またここから、新しい1年がスタートする。
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