城東、昨年のロスタイムの忘れ物を掴む。2回戦では「17年前の忘れ物」を取りに名護との『監督対決』へ|遠軽 0-45 城東|第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会

試合概要

第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会 1回戦

【対戦カード】
北海道遠軽高等学校(北北海道・8大会ぶり11回目)× 徳島県立城東高等学校(徳島・7大会連続17回目)

【日時】
2023年12月28日(木)12:50キックオフ

【場所】
花園第2グラウンド

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試合結果

遠軽:青ジャージー、城東:オレンジジャージー

遠軽 0 – 46 城東

城東、コリジョンで制圧す。

相手を引きずりながら前進する1番・中山珀選手
この日際立ったのは、2年生プロップのワークレートの高さ。
1番・中山珀選手に、3番・小方蓮斗選手。
体重100㎏を超える2人が、機敏に、そして力強くボールを前に運ぶ。
城東・伊達圭太監督は言う。
「中山は元々フィジカルに劣等感を持っていた選手。でもそこを鍛え上げた夏ぐらいから、非常に良くなった。今では欠かせない選手になりました。」
両プロップの安定によって生み出されたモメンタムが、試合の流れを作った。
「ブレイクダウンでのコンテストにおいて、ディフェンス・アタック両面で優位に立てた。相手の反則を誘えたことが大きかったです。(伊達監督)」

3番・小方蓮斗選手のボールキャリーから後半最後のトライは生まれた
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この日何度もゴールラインを背負いながらディフェンスした。
だがその度にペナルティを奪い、守り切ったのは城東。
試合最終盤にもゴール前まで迫られたが、決してあと一歩を許さなかった。
「去年一緒に戦った先輩たちが見に来ていた。僕たちにとっても、すごく思いが強かった先輩たち。最後1トライぐらいいいや、じゃなくて、しっかり守り切って次の2回戦にチャレンジしたかった。」
そう話したのは、SO池渕紅志郎キャプテン。
昨年、同じく第2グラウンドで戦った倉敷との1回戦。
後半ロスタイムに90mランを許し、逆転負けを喫した悔しい記憶のある場所を、なんとしても自らの手で良い思い出に変えたかった。
会場には、城東高校の生徒たちも駆け付ける。
バスケットボール部にバレー部、野球部らの有志が集まった大きな声援は、ここ花園をホームグラウンドに変える。
「声が聞こえました。嬉しかった。(池渕キャプテン)」
友の声はパワーとなった。
2回戦に向けて描くべき絵もクリアになった。
改善すべき所、強みとすべき所。一度習得しているはずなのに、忘れている所。振り返りをし、次へと繋げていきたい。
次戦は、城東初となる年越しを懸けた戦い。名護との2回戦へと挑む。
実は名護の田仲祐矢監督と、城東の伊達監督は、大阪体育大学の同期。加えて高校3年の冬には、ここ花園で、同じく2回戦を、名護・城東それぞれのキャプテンとして戦っていた。
勝利すれば3回戦の相手がAシード・東福岡の山、というシチュエーションまで17年前と一緒だ。
2006年の12月30日には、名護が41-7で城東を下している。
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第86回大会ではキャプテンだった2人が、17年の時を経て監督として再戦する。
「2006年、いまの高校2年生が生まれた年のことです。すごい巡り合わせ」と伊達監督は感慨深げ。
「1回戦は、去年のロスタイムの忘れ物を第2グラウンドに取りに来た。だから次は僕が、17年前の忘れ物を取りに行きます。」
そう言葉を残し、負けられない一戦へと向かった。
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遠軽は8大会ぶりの花園出場。地元ではパブリックビューイングも行われたという。
FWの多くの選手たちが目標と名を挙げるのが、呉季依典氏(東京サントリーサンゴリアス)。竹下恋コーチの繋がりで、今年の夏から2度ほど、指導してもらったという。
教えてもらったのは、スクラムの組み方やラインアウトのサインプレー。
「ベストは出せました」とNo.8山田真生選手は言った。
「最初から花園の雰囲気にのまれてしまって、自分たちの思い描くラグビーができなかった。来年の後輩たちには、今年の経験をふまえて1回戦を突破して欲しい。(斉藤歩夢キャプテン)」
北海道から詰めかけた大応援団が鳴らす大きな拍手の中、花園を後にした。

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