優勝したい理由
5番・中野誠章
花園で輝き放つロック。
「用意してきた自分のプレーは現段階で出せてはいる。だけどもうちょっと、やりたい。」
だから現時点での満足度は80%、と目指す頂の高さを明らかにした。
中野誠章。
役職はFWリーダー。
献身性と判断力が光り、瞬く間にピンチをチャンスへと変えるプレイヤーだ。
それでもチームで一番背が高いわけでもなく、チームで一番力が強いわけでもない。
だからこそ自身の強みと役割を理解し、体を張ることが自身の役目。
「高校生としてラグビーできる最後の60分間。思い残すことがないよう、体を張り続けたいなと思います。」
愚直なロック像に徹する。
12番・白井瑛人、13番・諸田章彦
中学から同じラグビースクールでプレーし、6年目。
進学先が異なるため、同じジャージーを着てプレーする最後の60分間を迎えるのは、桐蔭学園のセンターコンビ・白井瑛人と諸田章彦。
「泣いちゃうかもしれないですね」と言ったのは諸田選手。
「2人でトライを取り切れたら嬉しい」と話したのは、白井選手。
「だいたい目立つのはエイトです」と諸田選手は笑った。
2人がセンターとしてコンビを組むようになったのも、桐蔭学園に来てから。
様々な縁を手にした桐蔭学園での3年間。
「この監督、このコーチの下でないと、こういう舞台にも立てなかったと思う。感謝の気持ちを、結果として出せるようにしたい」と諸田選手は表情を引き締めた。
バイスキャプテンでもある白井選手は、スタッフ陣へ「ビシバシしばいてくれてありがとうございます」と感謝の気持ちを表す。
「昨年、県大会決勝で負けてから、めちゃくちゃきつい練習をしてきた。最初はしんどくて本当にやめたかったこともありました。でも結果的に決勝までたどり着くことができて。感謝の思いを伝えたいです」と紡ぐ。
「愚直に、先を急がないで一歩一歩得点に繋げていきます。(諸田選手)」
桐蔭学園のセンター像を徹する最後の60分を迎える。
15番・吉田晃己
振り抜く右足はもちろん、ボールを持てばゲインラインを突破。
身長168cmと決して大きくはないが、グラウンドの中でひと際存在感を放つ。
吉田晃己。
「でもまだトライができていないので、満足度は90%ぐらいです」と正直に話す。
準決勝・大阪桐蔭戦。
右手首には『徹』を、左手首には『冷静』と記した。
「どんな状況でも常に冷静にいられるように。そして今年のスローガンである『徹』を遂行できるように」と理由を話す。
これまでの試合ではテーピングに文字を書いたことがない。ただここ花園で、そういう気持ちになりました、と説明した。
迎える最後の60分間。
楽しみながらも、自分の役割であるキックとランに思う存分徹したい。
「決勝ではトライを取って、満足して終わりたいと思います。」
- 1
- 2