2月10日(土)に開幕した、令和5年度 第24回関東高等学校ラグビーフットボール新人大会。
大会1日目は千葉県・重兵衛スポーツフィールド中台で全8試合が行われ、春の関東ベスト8が決まった。
第1試合
桐蔭学園×佐野日大
桐蔭学園高等学校(神奈川県第1代表) 139-0 佐野日本大学高等学校(栃木県第2代表)
キックオフボールを蹴り上げると、その落下地点でペナルティを奪う。笛が吹かれた瞬間にFWがボールを持ちタップキックからリスタートを切れば、1番・喜瑛人選手が押し込んだ。
試合開始1分にも満たないトライ。
その後も一切の手を緩めることなく攻撃を重ねた桐蔭学園は、前半11本、後半10本の合わせて21トライを計15人のプレイヤーが決め、完封勝利。
139-0で佐野日大を退けた。
流経大柏×東海大相模
流通経済大学付属柏高等学校(千葉県第1代表) 14-39 東海大学付属相模高等学校(神奈川県第2代表)
1回戦最注目の一戦は、思わぬ大差がついた。
地元・千葉県代表の流経大柏が、接点で精彩を欠く。
「全体的にやられていた。鍛えていなかった証拠ですね」と流経大柏・相亮太監督は話した。
新チームが始動して1ヵ月。
体づくりを中心にトレーニングを重ねてきたが「ラグビーの根本的な、接点のぶつかり合いの所がやり切れていなかったんだろうなと思います」と振り返る。
コンディション不良のため野口健キャプテンを欠く。昨季のゲームキャプテン・阿部煌生選手とともにウォーターを務め、ベンチから声を張り上げた
これで、今年の全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会への出場権はなくなった。
2016年に行われた第17回大会以来、じつに8年ぶり。
「千葉県のチームにも申し訳ない。県内で100点ゲームをしようと、こんなワンサイドゲームをやられては。全てがハマらなかったな」と言葉を絞り出した。
だが先の花園では、ノーシードからベスト8入りを果たしたばかり。
「これから学校に帰って練習します。」
苦しい船出となった。
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一方、接点で大きなアドバンテージを得た東海大相模は、終始ゲームをリードする。
No.8藤久保陸選手の強フィジカルで前進を図れば、仕留め切るバックス陣。歯車が噛み合った。
1トライを決めた藤久保選手。コミュニケーションを良く取り、ムードメーカー役を担う
今大会には神奈川県第2代表として挑んでいる。
県新人大会では、決勝戦で昨季の全国覇者・桐蔭学園に敗れたものの、接点で手応えを感じた。
「やってきたことは間違いない、と実感しました。だから精度を高めて、ルール理解を含めた判断力を養いたい」と話すは三木雄介監督。
自信を持ち、全ての面でスピードを加速させていこうと、県大会決勝後から取り組みを始めている。
この日、その『スピード』で最も目を引いたのは11番・恩田暖選手。
前半24分、相手が蹴り上げたハイボールを左端で受け止めると、すぐさまグラウンド中央にいたフルバック・五島悠翔選手にボールを預けた。
キックチェイスに走ってきたディフェンダーを五島選手側に流れさせた所で、再度ボールを振り返してもらえば、左端15mでの勝負に出る。
ハーフウェー付近から、一気にタッチライン際を駆け上がった。
途中、相手ディフェンスを振り解きつつゴールラインに迫ると、インゴール目前でオフロードパス。1番・長田聖也選手に託し、トライをお膳立てした。
「練習していたキックカウンターでした。」
50mを6.2秒で駆け抜ける俊足を、最も効率的に活かした。
「昨年は関東新人で、一昨年は関東大会で流経大柏さんに敗れました。ずっと負けてきているので、ここでは負けられなかった。」