ワールドラグビーU20トロフィー2024の開幕を来月に控えるU20日本代表候補は、6月11日(火)宮崎県宮崎市で合宿中のラグビー日本代表と実戦形式の合同トレーニングを実施し、その模様を報道陣に公開した。
20分×3セットで行われたアタック・ディフェンス練習では、エディー・ジョーンズHCの指定した位置からラインアウトでプレーをスタート。途中でメンバーが入れ替わりながらも、フルコンタクトで激しいプレーを絶え間なく行った。
フォトレポート
計60分間のうち、U20日本代表が奪ったトライは2つ。
1セット目の竹之下仁吾選手(明治大学2年)のトライと、2セット目の伊藤龍之介選手(明治大学2年)のトライ。
3セット目にはU20日本代表候補の疲れが顕著となり、防戦一方の時間が続いたが、実り多き日本代表との合同トレーニングとなった。
1トライ目
1トライ目が生まれたのは、1セット目。
CTB/WTB 飯岡建人選手(筑波大学2年)のラインブレイクから。
ハーフウェー付近からのビッグゲインを見せると、サポートに走り込んだFB竹之下仁吾選手(明治大学2年)へボールを託す。
竹之下選手も日本代表のディフェンスを振り切れば、残りの約20mを走り切った。
チャンスの場面で、仕留め切る強さを見せる。
2トライ目
2トライ目は、2セット目。
マイボールラインアウトからフェーズを重ねた後、SH村田大和選手(京都産業大学2年)がボールをバックスに供給する。
フラットパスに走り込んだFB竹之下選手、WTB増山将選手(筑波大学2年)とボールを繋ぐと、タッチライン際でペナルティを獲得。
ゴール前ラインアウトからFWが当たり、一度はブレイクダウンでターンオーバーされそうになるも捌ききったU20日本代表候補。
SO伊藤龍之介選手がディフェンスラインを突破すれば、そのまま走り切った。
通用したラインアウト
トライ後のプレー再開は、ラインアウトから。
世界の高さに対応すべく、速さを磨いてきたU20日本代表候補たちのラインアウトは、日本代表にも十分通用した。
中でも目を引いたのは、FL亀井秋穂選手(明治大学2年)をジャンパーにした時の安定感。
他にも、舛尾緑選手(立正大学1年)や中森真翔選手(筑波大学1年)らが跳ぶこともあった。
確認できた範囲で、マイボールラインアウトをターンオーバーされたのは1度のみ。
2月から鍛錬を積み重ねてきたFWたちの高さとスピードは、ワールドラグビー U20トロフィーに向け、自信をもてる材料となった。
ブレイクダウンでの攻防
合同トレーニング開始わずか数分で、日本代表レベルの接点に慣れたU20日本代表候補たち。
相手のボールキャリアーを捕まえると、すぐさまボールへ手をかけたのはLO石橋チューカ選手(京都産業大学2年)。
ボールを奪い返し、攻撃へと転じた。
トライを防いだゴールラインDF
日本代表がゴール前に迫った時も、体を当てることを恐れず、規律高く守り切る。
最後は日本代表がヘルドアップ。
ゴールラインを背負ったディフェンスで、見事トライセーブを決める忍耐強さを見せた。
個の活躍
CTB白井瑛人選手(明治大学1年)に、SO伊藤利江人選手(明治大学2年)。
トライセーブを決めた、1対1のタックルがあった。
写真はCTB白井選手のボールキャリー
SO伊藤龍之介選手は、50:22を決める。
SO/CTBの本橋尭也選手(帝京大学2年)は力強いボールキャリーを見せ、FB竹之下仁吾選手はサポートプレーに何度も足を動かした。
本橋選手
ボールキャリアーをサポートする竹之下選手
同級生対決
日本代表側には、先月までU20日本代表候補としてともに活動していたFB矢崎由高選手(早稲田大学2年)の姿も。
SH髙木城治選手(京都産業大学2年)曰く「あいつだけには(トライをさせない)」とチーム内で士気を高めていたという。
一度、ビックゲインを許す場面もあった。
だが、矢崎選手の走り込みを止めるチームディフェンスを徹底。ボールはすぐにリサイクルされ、結果的にトライまで持ち込まれはしたが「チームとしてディフェンスができた。(矢崎)由高のトライはなかったので良かったです」と笑顔を見せた。
矢崎選手に対峙するCTB上田倭士選手(帝京大学2年)
一方アタックシチュエーションでは、FL亀井選手が右サイドを駆け上がると、矢崎選手が1対1のタックルに入る場面も。
両者譲らぬ闘志を見せた。