公益財団法人日本ラグビーフットボール協会は6月12日(水)、選抜された大学生選手を対象に『JAPAN TALENT SQUADプログラム(通称:JTS)』の第2回目を宮崎県宮崎市で実施した。
将来の日本代表選手の育成を加速するため、今年4月から始まったこのプログラム。第2回目となるこの日は、日本代表トレーナーらによるS&Cセッションが行われた。
またスペシャルゲストとして、日本代表のリーチ マイケル選手、そして現役を引退したばかりの元日本代表・田中史朗氏が8名の大学生を前に講演。
世界と戦うための心構えを、直接伝授した。
リーチ マイケル選手「自分の責任」
今日伝えたかったことは、『自分の責任』だということ。
何をするにしても、強くなるにしても、自分の責任。そのことを早い段階で知っておけば、自分の競技人生に責任を持ってできるし、言い訳ができない。
何をやるにしても責任をもって行動することが一番です、と伝えました。
U20の選手たちがフル代表のコーチや選手と交流できたことが、一番良い刺激になっていると思います。
これからの日本ラグビーが良くなるために、若い世代とフル代表との交流の機会をもっと増やすべきだと思います。
今回大学生を前に話をするにあたり、もし逆の立場であったら、と考えました。
『もし僕がU20ニュージーランド代表で、リッチー・マコウが来て話してくれたら』と想像すると、ちゃんと伝えたいなと思って。
一個でもちゃんと伝えたいな、と思いました。
言葉の重みです。(今日話した内容を学生たちは)忘れるかもしれないけど、トップの選手と触れ合うと何かしら学べるのでは、と思います。
この日モニターに映し出した資料は全て、自ら下書きしたという
田中史朗氏「自ら手を挙げること」
僕が伝えたかったことは、シンプルにコミュニケーションの重要性です。
今朝の練習を見ても反応の声がなく、コーチへの質問もありませんでした。
彼らのパフォーマンスは、僕らが若い頃よりもめちゃくちゃ上がっています。もっと可能性があるので、もっともっとコミュニケーションをとって、パフォーマンスを上げること。
そして英語を学んで、自分の可能性を上げ、周りの仲間を増やして欲しいと伝えました。
とにかくコミュニケーションがない、反応がないですね。
質問をすることに恥じらいがある日本の文化を変えていかなければならない、と思いました。
何度か海外にラグビーの普及活動で行ったことがあるのですが、子どもたちはみんな手を挙げていろんな質問をしてくれるんですよね。
日本もそういう環境を作っていかないと。レベルアップするためには、リーチらトップ選手たちのアドバイスが絶対に必要なので、そういう部分を子どもたちに伝えて、自分から手を挙げる環境を作ってあげたいと思いました。
これから世界を目指す上で質問がないと、可能性は上がっていきません。
僕はブロンコで5分を切ったことすらありませんが、それでも12年間代表でやってこれた。それは、コミュニケーション力があったから。
英語も大して喋れないけど、ビールを飲んで、英語を話せなくても目さえ合わせれば仲良くなれた。
そのためにも日本の文化を学んで、海外の人と話をして、目を合わせて欲しいと思います。
世界には、チェスリン・コルビも、ファフ・デクラークも、クワッガ・スミスも、リッチー・モウンガもいます。体が小さいことを言い訳にしてほしくないです。
そして日本代表に入りたかったら、エディー(・ジョーンズHC)と話すこと。そしてその気持ちを伝えること。
U20日本代表で満足するのだったら、別に構わない。でも日本代表に入りたいのであれば、きちんとその気持ちを伝えることが大切。日本代表に入ってから、(スキルを)伸ばせばいいんです。
僕は日本代表が好きでした。
でもパフォーマンスが追いつかなかった。
みんなには、長いこと日本代表としてプレーして欲しいと思います。
エディー・ジョーンズHC
現在、日本代表には(練習生含め)3人の大学生がいます。
JTSから3人が代表に行きました。次の3人になるのは誰ですか?
自分なりの方法で、自分の強みを見つけてください。
日本が世界のトップ4になるためには、巡ってきたチャンスを1つも無駄にしないでください。
英語が話せないなら、コミュニケーションを取る自分なりの方法を考え、見つけてください。
そうすれば、今の3人に続く新たな3人が生まれます。
まずは、自分のポジションで世界一になってください。