未来の自分へ ~世界への扉を開いたU20日本代表たち【FW第1列編】|ワールドラグビーU20トロフィー2024

スコットランド・エディンバラで行われている『ワールドラグビー U20トロフィー2024』。

U20日本代表として戦いに挑んだ28人の若き桜の戦士たちは、どのような想いで今大会に臨んだのか。

そしてU20スコットランド代表戦での敗戦を受け、未来の自分に何を誓うのか。

20歳、夏の想いを聞いた。

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左プロップ

PR 森仁之輔

U20スコットランド代表戦、キックオフ数分前のこと。

ロッカールームから入場口へと続く道を進む森選手の目には、涙が浮かんでいた。

「いよいよ始まるのか」

これが、目標としていた大一番。

「全力を出し切ろう」と気持ちが溢れる。

目に溜まった涙を、そっと拭った。


前から2人目が森選手

スコットランド戦前のミーティングで、FW陣にある指針が示された。

一気に押しに行くべきタイミングのスクラム用に、とコールが用意される。

『鬨(とき)』

かつて、戦士たちが戦いの前に示した合図がゆえんである。

円陣を組み、スクラムリーダーのHO清水健伸選手が「1・2・3」と掛ける掛け声に合わせて、FW全員で「トキ!」と発する。

その声が掛かった時には、全員でスクラムを押しに行くという合図だった。

森選手は、その円陣をよりタイトな輪にするべく、両隣に手を伸ばして仲間を引き寄せた。

試合を終え、ロッカールームに戻る途中、グラウンドの端で頭を下げた。

「僕はもともと、武道をやっていました。礼儀を大事にしています。天理大学でも、グラウンドに入退場する時にはお辞儀をしています。そこは崩さずにいたかった」

自らの信念を、最後まで貫いた。

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今大会のテーマ

『全力』

スコットランド戦を終え、出てきた感情は「全部出し切った」だった。

それでもスコットランドを相手には敗れた。

通用しないことも多かった。

全力は出し尽くしても、それでも届かない世界の壁。

「交替してベンチに戻ると、悔しくて涙が出ました」

ここまで力の差があるのか。

まだまだ、足りないことを知った。

未来への誓い

『鍛え直す』

日本代表に入りたい。その気持ちは、変わらない。

だがスコットランドとの対戦を通じて、自らの弱さも痛感した。

「何本かタックルを外してしまい、チームに迷惑を掛けました。一から鍛え直したい。克服します」

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PR 大塚壮二郎

スコットランドに敗れた。

試合に出てはいなくたって、落ち込んだ。

だが、1日でしっかりと気持ちを切り替える。

「次のU20ウルグアイ代表戦に向けて、気持ちを切り替えてやっていかないといけない」

自らを律した。

高校日本代表として渡ったアイルランドでは、プレータイムを得られなかった大塚選手。

だがその1年半後、U20日本代表として初めて桜のジャージーを着てピッチに立った。

初戦、U20ホンコン・チャイナ代表戦はスタートの左プロップ。

背番号1の、日本代表のジャージーを着た。

嬉しかった。

と同時に、責任感も生まれる。

「日本を代表する選手なんだ、という責任を感じました」

桜の重みを知った。

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今大会のテーマ

『安定と挑戦』

初戦で怪我を負い、2戦目・3戦目と試合には出られなかった。

だからこそ、次のU20ウルグアイ代表戦ではしっかりと体を当てたい。

スクラムもモールも安定させたい。

「挑戦したい」と言った。

未来への誓い

『日本代表のジャージーを着て試合をしたい』

第3戦・U20スコットランド代表戦をスタンドから眺めながら、感じたことがある。

「日本代表のジャージーを着て試合をしたい」

日本代表とは、U20日本代表ではなく、フル代表のことだ。

「今大会が終わったら、次に桜のジャージーを着られるのはフル代表しかないな、って帰りのバスの中で思いました」

ジャパン入りを目標にする、ということが、急に実感として押し寄せた。

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