右プロップ
PR 山口匠
今大会、なかなか出場時間を得られていない山口選手。
「(気持ちは)ダダ下がりです」と、その悔しさを隠さない。
「そういう性格なんで」
そこが山口選手の最大の強みだ。
U20日本代表候補としてFW合宿を行ったのは、2月のこと。
複数のリーグワンチームに出稽古し、武者修行を積んだ。
リーグワンの選手を相手にも強い個を見せ、スクラムを押し込んだ山口選手。飛躍の糸口を掴んだか、と思われた。
だがその後所属する明治大学へと戻ると、思うようなスクラムが組めなくなる。
スランプに陥った。
「あの時の感覚が、まだ戻ってきていません」
大久保直弥ヘッドコーチをはじめ、FWコーチ陣は「3番は誰が出ても変わらない」という。
だが実際は、他の2選手と比べ出場機会は短い。
「なにかが足りなくて出られなかった」
練習時に組むスクラムでも、トイメンを力強く押し込み気持ちを見せた。
今大会、残る最終・U20ウルグアイ代表戦で背番号18を掴んだ。
理想のスクラムに、近づけることはできる。試していないこともある。
「試すことを試して、チームの勝利にもこだわりつつ、自分のためにもやりたいです」
今大会のテーマ
『成長』そして『経験』
国際大会を経験する価値を見出したい、と挑んだ。
実際には「ちょっとずつ、です。思っていたほどではないですけど」というが、前を向き、足を前に動かしただけで、きっと大正解だ。
未来への誓い
『もう二度とこんな思いをしたくない』
勝負のU20スコットランド代表戦。自分が出られず不甲斐ない思いをした。
『自分が出ていたらこのスクラムは押せていただろう』というものだってあった。
自分が出られていたら、もう少しやれることもあっただろう。
やり切って負けたのだったら、言うことはない。
だから、もう二度とこんな思いはしたくない。
PR 布引大翔
3番で出場した、U20スコットランド代表戦。
スクラムを安定させられなかった。
アタックもディフェンスも、もっと積極的にいけたのではないか。
試合を終えると、「悔しい」で溢れた。
スコットランドの1番が強い、という事前の分析だった。
その強いプレイヤーを抑えはしたが、相手の3番が上手かった。
「いろんな引き出しを持っていました。1番を抑えても、3番のテクニックを出されてしまった。自分たちが思っていた逆を突かれてしまいました」
プランBに対応できるだけの経験や引き出しがなかったことが、スクラムで手こずった原因だと話した。
今大会のテーマ
『スクラムで圧倒する』
2月からハードな合宿を重ねてきた。どのチームにも圧倒することを目指した。
それをスコットランド相手に出せなかったことが「残念です」とうつむいた。
未来への誓い
『どこにも負けない』
イチからセットピースを見つめ直したい。
どこにも負けないスクラムを組めるようになりたいし、フィールドでも動ける体力をつけたい。
どこにも、誰にも負けないプレイヤーになる。
PR 八田優太
U20スコットランド代表の1番は、前半と後半で異なるタイプだった。
後半の1番はずっとプレッシャーを掛けてきており、「(トイメンの)僕が押されることでスクラム全体が押される危険があった」と八田選手は話す。
実際、押されたのは最後の1本だけ。
だがそれまでも何度かスクラムが崩れ、気持ちよく押すことはできなかった。
「際どいスクラムが続きました。レフリーはこっちにペナルティを吹いてくれたのですが、落ち方次第では自分も危なかった。落ちる、ではなく『押し切るスクラム』を組めるようになりたいです」
ジャパン・トレーニング・スコッド、通称JTSのメンバーでもある八田選手。
日本代表のエディー・ジョーンズHCから届いた手紙に、喜んだ。
「呼んで頂けたことが嬉しい。学んで、成長を続けたい」
だからこそこれからは先発で出場し、交替を気にせず80分間出場を続けられる体力とメンタル作りに取り組んでいきたい、と誓った。
今大会のテーマ
『どのチームにもセットプレーで圧倒する』
U20サモア代表戦では押せたスクラム。
だが、スコットランドを相手には一本も満足に押せなかった。
「悔しいです」
短い言葉で、十分だった。
未来への誓い
『京産の3番を』
U20日本代表活動が終われば、所属する大学へと戻る。
「京都産業大学の3番を着られるように頑張っていきます」
一段ずつ階段を上がる所存だ。