パリ2024オリンピックの7人制ラグビー競技が、7月24日に幕を開ける。
男子日本代表が日本時間25日 1時に初戦・ニュージーランド戦を迎えるにあたり、それぞれの出身高校の恩師からエールをもらった。
※第11回全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会に出場していた高校のみ
佐賀工業高校
津岡翔太郎選手へ ~枝吉巨樹監督より
高校生活は本当に怪我ばっかりで、走れば肉離れ。そのスピードに体がついていかないような状態でした。
基礎練習しかできていない高校生活。でも彼は当時からあれだけのサイズがあって、将来性もあるので。
「頑張れば絶対に(上のレベルに)行くから、怪我しても腐らずにしっかりやりきれよ」という話をしていたことを覚えています。
頑張ってくれて嬉しいです。
松本純弥選手へ ~枝吉巨樹監督より
個性が強い、いつも個人技の練習ばっかりやっていました。
ある時、彼に言ったんです。
「個人競技に移れ。ラグビーは15人でやるスポーツだから、君一人のためにチームは動いてるんじゃないんだから。そういう子は佐賀工業の選手じゃない」
それが本人としては結構ショックだったらしくて。チームで動く大切さを、佐賀工業で学んでくれたと思います。
ただやっぱり、全国大会で彼にボール持たせたら本当に絶大な信頼がありました。彼のステップやスピードは、自分で勝ち得た努力の証かな、っていつも思います。ポテンシャルの高い選手です。
福士萌起選手へ ~枝吉巨樹監督より
元々、兵庫県出身。小学生だったか中学生の頃に、親御さんの転勤で佐賀へとやってきました。
当時、「どうやら加古川ラグビースクールでラグビーをやっていた子がいる」という噂を聞いたんです。中学生の頃にはラグビーから離れていた時期があったのですが、本人は本当はもっとラグビーをやりたかった、と。
だから「君が本当に真剣に頑張るんだったら、佐賀工業でラグビーをしよう。そのかわり絶対腐っちゃダメだよ」という話をしたことを覚えています。
そこから頑張ってくれて、オリンピアンにまでなった。高校時代は真面目に、ラグビーをめちゃくちゃ頑張っていました。
佐賀へ帰ってくる度に「あの時声を掛けてもらって、自分本当人生が変わりました」と言ってくれています。
津岡選手、松本選手、福士選手へ
佐賀県から(女子代表・堤ほの花選手含め)4名もオリンピック選手が出るということは名誉なこと。今後そういうことがあるかどうかも分かりません。
佐賀工業の誇りの選手たち。
みんな本当に楽しんで、思い切って。自分の持ってるポテンシャルを出し切ってください。応援しています。
御所実業高校
谷中樹平選手へ ~竹田寛行監督より
谷中が2年生の時の、全国高校ラグビー大会奈良県予選決勝。
その年は天理高校が強くて、それまで全敗していました。
決勝戦でも、後半15分まで0-19で負けていたんです。でもそこから3連続トライをして、19-19。最後、谷中が右端からコンバージョンゴールを蹴って成功させて、21-19の逆転勝利でした。
2年生でそういう経験をした選手でした。
帝京大学時代には、大学選手権準決勝で良いパフォーマンスをしたものの、脳震盪で決勝戦には出られていないんです。その前もずっと大活躍していたのに、あいつは日本一の試合に出ていないんですよ。出られなくて。
だから、やり切れていないんです。
今回はオリンピックでやり切ってほしいな、と。
「オリンピックを目指すことは、誰にでもできることではない。最後までやりきって、オリンピックに出たらみんなで応援する」と伝えています。
昨日は、奈良県・藤原京の美しい夕焼けの写真を送りました。
緊張してないかな、と思って。
「スポーツに興じる者として、憧れの舞台にまさか自分が立てるとは思っていませんでした。どんな瞬間も後悔のないようやり切ってきたいと思います!」と返信もありました。
今日、一発目の相手はニュージーランド。すごいチームを相手に自分がやり切ってくれたら。勝敗よりも『愉しんで』くれたらいいなと思います。
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