8月1日から3日まで、長野県上田市菅平高原・アンダーアーマー菅平サニアパークで行われたKOBELCO CUP 2024 第20回全国高等学校合同チームラグビーフットボール大会。
U17部門に出場したU17関東ブロックは、決勝リーグでU17近畿ブロック・U17九州ブロックに敗れ、大会を3位で終えた。
敵陣深くまで攻め込むも、ミスで終わってしまったこと。
FWも接点で勝てなかったこと。
「キャプテンとして、まだまだ全然。キャプテンにはほど遠いんだな、と身に沁みました」
決勝リーグで2敗すると、HO堂薗尚悟キャプテン(桐蔭学園)は天を仰いだ。
もしあの局面で、自分がボールを持って前に出られていたら。
もしあの場面で、自分にトライを取り切る力があったら。
試合を振り返れば自分にできることはもっとあった、とたらればが頭をよぎる。
追い詰められた状態で、仲間にどんな声を掛けたら良かったのだろうか。
チームに申し訳ないことをした。
「自分、まだまだ足りないんだな、って。自分の現在地が低いことを身に沁みて感じました」
試合後、目を覆うシーンもあったが「泣いちゃいけないんだろうな、と思って。泣いたらあかんのかな」と、グッと堪えた。
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学び多き高校2年生の夏は、人生で初めて任されたキャプテン職とともにあった。
当初は、全てを自分1人でやろうとしていたという堂薗キャプテン。
「でも、絶対にできない」
キャプテン1人だけでは、絶対に務め上げられないということを知った。
「(FWリーダーの)前鹿川に(BKリーダーの)宮下、(スタンドオフの)大門に(CTBの福田)ツネ。ミーティングでサポートしてくれました。仲間の存在は大事なんだ、ということが理解できました」
だからこそ桐蔭学園に戻ったら、現主将・申驥世キャプテンを支えなければならないとの自覚も芽生える。
「2年生としてキャプテンをサポートできることもあるはず」
ラグビープレイヤーとして、一つの転換期を迎えた。
堂薗キャプテンは言う。
「この夏、自分の足りない所をたくさん知ることができました」と。
「全国には自分よりたくさん、強い選手がいます。また1から、振り出しに戻って自分の強みをしっかりと整理して、強みを武器にしたい。九州、関西、全国の人たちにも勝てるような選手になっていきたいと思います」
2024年、夏。17歳の夏。
「めちゃくちゃ濃かったです」
想像以上の濃いひと夏を、たくさんの新たな仲間とともに過ごした。
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◆
U17関東ブロックの監督を務めた廣瀬慎也氏は言った。
「優勝を目指して活動してきましたが、自分たちのラグビーができた場面も、発揮できなかった場面もはっきりとありました。選手たちが一番悔しがっていると思います」
堂薗キャプテンを中心に声を掛け合い、瞬く間に一つのチームとなっていく様に目を細めた。
「選手たちにとっては、これで終わりではありません。ここから次のステージが始まっていきます。この経験を糧に、どのように日本のラグビーを背負っていくのか。本当に楽しみにしています」
またね、と声を掛け合い、帰路についた選手たち。
これからいくつの『またね』が、続いていくのだろうか。