進修館、15トライを奪ってベスト16入り「最後までやり切りたい」|第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会埼玉県予選 2回戦

157㎝・57㎏の小さなタックラー、輝く

2戦続けての完封勝ちを収めた進修館。

プレイヤー・オブ・ザ・マッチ級の活躍を見せたのが、12番・根路銘大輝(ねじめ だいき)選手だ。


根路銘、の名は沖縄にルーツがあるという

ボールを持てば推進力高く、何人も引きずりながらゴールラインに迫った。

自らでトライを決めるシーンがあれば、ウイングにボールを繋ぎ外で取り切るシーンも。

身長157㎝、体重57㎏。

小さな体は、ボールが近付くと幾回りも大きく映る。

最も光ったのは、ディフェンス局面だ。

相手ボールスクラムからNo.8の選手が持ち出した所、1人で止め切る。

お手本のようなタックルで、自身より何十キロも重たい相手の前進を拒んだ。

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高校で始めたラグビー。

自分より大きな選手に向かって体を当てることが、最初は怖かったと根路銘選手は言う。

転機が訪れたのは、2年生の時。

体の大きな選手が並ぶ強豪・正智深谷との対戦時、思いっきりタックルに入ることができた。

「自信がつきました。相手を倒せるようになったら、楽しくなってきて」

この日も「試合していて、めっちゃ楽しかったです!」と大きな笑顔を見せた。

3回戦の相手は、Aシードの熊谷工業。間違いなくターゲットゲームである。

「ここまで来たので、最後までやり切りたいです」

迫ってくる相手選手を全員、前で止める心意気だ。

「パスもするし、チャンスでは自分でトライを取り切りたい。チームに貢献できる選手になります」

いざ、下剋上へ。

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ノートライも「一丸となって最後まで戦えた」

「チーム全員が気持ちを入れて、一丸となって最初から最後まで戦えたと思います。みんながついてきてくれて、感謝しかないです」

熊谷農業・高梨育実(たかなし いくみ)キャプテンは、すっきりとした表情で答えた。

今季、チームの課題は「気持ちにあった」と高梨キャプテンは言う。

「スコアが離れていくと、気持ち的に負けてしまう部分がありました。でも今日の試合では、後半になっても全員が気持ちを切らさずに最後までぶつかることができた。結果はついてこなかったですが、チームとしては良い試合ができたと思います」

その先頭に立ったのが、高梨キャプテンだった。

試合中、トライを取られる度に円陣で「気持ちで負けんなよ」「トライ取ろうよ!」と仲間を幾度も鼓舞。

決して言葉を切らさなかった。

この日、熊谷農業最大のチャンスが訪れたのは、後半最終盤。

敵陣で裏への中距離パントを蹴り上げると、ゴール目前で連続ペナルティを手にする。

タッチに出すことなく、強いFWがクイックスタートを切れば、ゴールラインまで残り1mと迫った。

しかし最後は自分たちのペナルティ。トライとはならなかった。

高梨キャプテンは言う。

「強みとするFWでこだわって、押し切って、トライに繋げようという気持ちでした。最後は一歩届かず、悔しい結果となってしまいましたが、最後自分たちのやりたいプレーができたと思います」

納得のプレーで、3年間のラグビー生活を終えた。

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