2024年度の関東大学ラグビー対抗戦が開幕した。
各チームのラグビーが確立する秋、チャレンジの秋を追う。
試合概要
関東大学対抗戦Aグループ 第5節
【対戦カード】
早稲田大学×青山学院大学
【日時】
2024年10月12日(土)11:30キックオフ
【場所】
太田市運動公園陸上競技場
試合結果
早稲田大学 67 – 0 青山学院大学
Pick Up Waseda
今季スタートはDチーム。「とにかくラグビーに紳士に」向き合った4年目のアカクロ
後半37分。
途中出場を果たしたのは、23番・清透馬選手。
後半42分。
右サイドを駆け上がると、この試合のラストトライを決めた。
茗溪学園高校出身の大学4年生。
対抗戦デビューとなったこの日、出場時間は僅かばかりだったが「とにかく自分自身のできるプレーを思いっきりやろう」とピッチに立つ。
「トライを取りに行こう」と挑めば、ディフェンスを振り切った。
「少ないチャンスをものにして、今後のアカクロに繋げなきゃいけない試合でした。与えられたチャンスでしっかり取り切ろうと狙いにいった」と振り返る。
春、東日本セブンズでチームを率いた。
その経験が、今季に生きる。
「自分はキャプテンではないですが、チームを引っ張ろうと意識して臨んできました。とにかくチームの勝利にフォーカスし続けた結果、戦うカテゴリーも上がっていった」のだという。
シーズンスタートはDチームのリザーブ。
そこから春、春季大会でアカクロをまとうまでにカテゴリーを上げ、この秋に掴んだ対抗戦デビューだった。
大田尾竜彦監督は言う。
「ジュニア選手権で頑張った選手がAチームで出る、そして結果を出す。我々も嬉しいですし、上井草に残っている選手たちにも非常に励みになったと思っています」
その言葉を聞いた清選手は「率直に、めちゃくちゃ嬉しいです」と破顔した。
対抗戦でのアカクロにたどり着いた今だからこそ、この舞台に立てない多くの仲間に伝えたいことがある。
「僕は去年、丸々怪我をしていて、それまでもずっと下のカテゴリーでプレーしていました。4年生になって少し諦めてしまう選手もいるかもしれません。だけど僕自身、何か特別なことをやったわけではなくて。とにかくラグビーに真摯に向き合った結果、上にあがってこれた。同じような姿勢で、最後まで一緒に戦えたらなと思っています」
できうる限りの努力は、毎日全部やった。
思いつくことは全部やり切った。
食事にも気を遣い、酒も一切、口にしていない。
「『荒ぶる』にフォーカスして、自分自身できることを毎日、最大限にこれからも続けていこうと思っています」
信念強き4年生の想いは、必ず伝播する。
笑顔の対抗戦デビュー
一方、笑顔で対抗戦デビューを迎えたのは1年生の城央祐選手。
スタンドに駆け付けた両親、祖父母を見つけると頬を緩め、嬉しそうに校歌を歌った。
大学入学直後から主力メンバーとして試合に出続けた城選手。
しかし夏の菅平合宿で膝を痛め、しばらく実践から遠のいた。
10月半ばで迎えた対抗戦デビュー。
後半17分に足をつりピッチを退いたことも影響し、この日の自己評価は「まあまあかな」に留めた。
「ブレイクダウンで仕事はできたんですけど、それでも相手の方が早かったこともあったし、課題が残る試合です」
もちろん、大田尾監督の評価は上々だ。
「ブレイクダウンで仕事ができる選手。接点の攻防に期待しています。今日は初めての対抗戦でしたが、非常に良くやってくれたなと思っています。コンディションもこれからどんどん上がっていくと思うので、いろんなところでワークレート高く仕事をしてくれるんじゃないか」
深まる秋、大きな歩幅の一歩目を踏み出した。
- 1
- 2