Bシード・東海大学付属大阪仰星高等学校
大阪第2地区代表・6大会連続24回目の出場
キャプテンはFL青野寛大選手。
1年時から全国大会の舞台を踏む吉田琉生選手はオールラウンダーとして、バックスのあらゆるポジションをこなす。
LO百武聖仁選手、No.8駒井良選手ら機動力あるFWに加え、2年生センターの東佑太選手を含む6人が高校日本代表候補入り。
春の全国選抜大会では2回戦で桐蔭学園に7-21と敗れたが、夏の菅平合宿時には東福岡に接点で当たり勝つ。
ファイターとしての闘志を有するチームであることは間違いない。
Bシード・常翔学園高等学校
大阪第3地区代表・2大会ぶり42回目の出場
No.8井本章介選手が、花園に帰ってきた。
1年生ながらフル出場した2年前の全国大会。Bシードとして登場したが、尾道に敗れ2回戦敗退。涙に暮れた。
昨季は大阪府大会決勝で東海大大阪仰星と対戦し、17-27。全国への切符を獲得することすら、できなかった。
「絶対に花園に戻る」と、1学年上の先輩たちに涙ながらに約束してから丸1年。
今年の府大会決勝では近大付属を55-19で破り、有言実行。再び花園へと舞い戻った。
しかし現役部員たちは全員、花園での勝ち星を知らぬ代。
どうチームを勝利に導くか。井本キャプテンのリーダーシップに期待したい。
Bシード・天理高等学校
奈良県代表・3大会連続66回目の出場
国スポ優勝チーム・御所実業を破った奈良県大会決勝戦は圧巻だった。
愚直な天理のラグビーをグラウンドに立つ全員が追求する姿勢に、覚悟漂う。
牽引するのは内田旬キャプテン。昨季はフランカーとして全国大会に出場していたが、今年はセンターへと転向。
ボールをもらってからの縦突破に、磨きがかかった。
ほか、高校日本代表候補3名を擁する天理。他校の選手の中には「Bシードで一番怖いのは天理」と恐れる人も。
Bシード・東福岡高等学校
福岡県代表・25大会連続35回目の出場
シード校から外れることすら覚悟した、今季の戦績。
だが秋にかけ大きくレベルアップしたこと、とくに福岡県大会決勝ではまさに東福岡らしい試合運びで完勝した姿に、多くのラグビーファンはおののいた。
キャプテンはNo.8古田学央選手。ナンバーエイトがナンバーエイトらしい姿を見せることが、やはり東福岡の真骨頂。
スタンドオフの橋場璃音選手や川添丈選手(ともに1年生)をはじめ、下級生も多くメンバーに名を連ねるが、最上級生の躍動が花園では必要不可欠。
ラインアウトのキーマンは3年生。チーム最長身の熊谷鼓太郎選手に高校日本代表候補の梁瀬将斗選手。バイスキャプテンのFL梁瀬拓斗選手らがジャンパーとなる。
もうひとりのバイスキャプテン・深田衣咲選手は高校日本代表候補。昨季はU17日本代表としても活躍した。
その他どんなラックからもボールを捌くスクラムハーフの中嶋優成選手に、東福岡らしいフルバック像を体現する三好倫太郎選手など、努力を重ねられる選手が揃った。
学年を超えた融合と、3年生の胆力が試される104回大会となりそうだ。
Bシード・大分東明高等学校
大分県代表・3大会連続5回目の出場
今大会に九州王者として挑むは大分東明。
順調に成長曲線を描いてきたように思われるが、しかし9月中旬に行われた交流戦で佐賀工業に敗れた辺りから「焦りが生まれた」と話すは、LO石川波潤キャプテンだ。
焦れば余計、個人プレーに比重は傾く。
「組織ではなく、個人プレーで打開しようとする選手が増えた。だからもう一回締めようと練習してきたのですが、細かなズレが生じていた。厳しい時期が続きました」
10月のことだった。
オール大分として出場した国スポでも、わずかなズレは残っていた。
島根県代表(石見智翠館の単独チーム)に敗れ、大きく肩を落とした選手たち。
「もう一回、チームとして目標を決め直したい。どういうアタックをするのか、どういうエリアでどういう攻め方をするのか。いろんなチームに対応できるプランも考えて、それを全員がコミュニケーションを取らずとも同じ絵を描けるようになることが理想です。練習から細かく声を出して、もう一段階上げないと全国では勝てません」(石川キャプテン)
一方、白田誠明監督は、国スポでの敗戦を「負けて学ぶことがあった。このチームには負けが必要だった」と振り返る。
「取り切るべきところで取り切る集中力。60分間、敵陣の中で戦うトータルの戦術。そういったところの修正が効かないと、ゲームがどうなるか分からなくなるということを国スポでは学びました。負ければいい。何も学ばない負けはありません。前向きに捉えて、頑張ります」
九州王座に就いて以降、大分東明に勝ち癖をつけようと挑戦した夏。
負けが必要だった、と話した秋。
酸いも甘いも知った今、まずは初のベスト8入りへ。
そしてその先にある、たった一つの頂を目指して。
熱くて長い冬が始まる。