県立進学校同士の一戦は、長崎北陽台に軍配。城東、初の年越しならず「もう一回ラグビーの原点に返ります」|第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会

城東

前半を終え、29点のビハインド。

ハーフタイム、小野晏瑚キャプテンは仲間に話し掛けた。

「やってきたことは絶対に間違っていない。ただ、チーム全体で出せていない。やってきたことをやろう」

小野キャプテン自らがそう口にした姿で、チームは息を吹き返した。


「小野がチームを引っ張ってくれました。その部分はすごく良かった」とは伊達圭太監督

14-56で迎えた後半27分。

後半はほとんどボールを持つことができずにいた小野キャプテンだったが、相手スクラムハーフからの球出しを読み切りインターセプト。

そのまま独走トライを決め、城東に3トライ目をもたらした。

1年時から試合に出場し続け、エースとしてこれまで花園出場全試合でトライを取っていた小野キャプテン。

「ここで取りたい」と溢れた気持ちが、体に伝播した。

伊達監督も「狙えよ、と言っていた所で狙ってくれた。キャプテンらしさを出してくれたんじゃないかな」と目を細める。

しかし、フィジカルで勝る長崎北陽台には及ばず。

接点で前に出続けられてしまい、疲労が蓄積。

第1クオーターは0-7と粘ったが、残り45分間で9トライを浴びた。

「つくづくコンタクトスポーツだな」

伊達監督は口にした。

「もう一回、ラグビーの原点に返ります。やっていること、持ってきた戦術・戦略は絶対に負けていません。そこだけは、絶対に。だけど細かいプレーの精度や経験値、フィジカルバトルが影響しました。そこに尽きます」

行きつく所は、やはりフィジカルなのだと知った。

「もう一回、ラグビーの原点に戻ります!」

そう宣言し、来たる花園年越しを睨んだ。

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キャプテン コメント

ーーいろいろな思いがあった花園。大会を終えて

自分自身、選手宣誓など大役を任された。選手宣誓は自分の言いたいことを言えたが、今日の試合はもう少しチームとしても自分としても、できることはあったと感じた。

ーーたとえばどういうところ

前半、北陽台さんのフィジカルで押され気味だった。相手にペースを握られたところが良くなかったところ。

自分たちのアタックでは、しっかりと得点に繋げられたと思うので、来年も継続して欲しい。

ーー相手にトライを決められた後にチームに声をかけていた。どのような内容だったか

時間も限られていたので、しっかり城東としてのアタックをもう1回出そうと。ディフェンスもだが、自分たちのラグビーを悔いの残らないようにしっかり攻め続けようと言った。

ーー城東で学んだこと、得たものは

日本代表としての経験もあった。チームとしても人数の限られている練習方法であったり、少人数だからこそできることがあったので、大学でも継続していきたい。

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9番・井颯太朗選手(2年生)

前半は相手の思うようなプレーをされてしまい、コンタクトエリアを1年間やってきたが、それが発揮できず。何本か良いタックルがあったが、そこでターンオーバーできず、相手の流れにしてしまって点差が広がってしまったと思う。

ーーファーストトライの感想

正直、前半でトライを決められた場面があった。そこで点数が取れていたら流れが変わっていて、城東に流れがきたら、前半からもっと点差が縮まっていて勝てるチャンスがあったかもしれない。

ーー来年に向けて

今年のチームはFWが大きいと思っていたが、それでもコンタクトエリアで負けてしまった。もっと体を大きくしないといけないなと。

また自分たちのやるべきことができなかったので、練習から質の高い練習をしていきたい。

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