2大会連続3回目となる、全国選抜大会出場を果たした昌平。
1回戦の相手は、西の実行委員会推薦枠として出場した古豪・大分舞鶴だった。
先制パンチをくらった。
外国人留学生から個の圧力を受けると、ボールを繋がれあっという間にトライまで持ち込まれてしまう。
試合開始早々、連続トライを許した。
勢いを掴みたい昌平は、得意のディフェンスに立ち返る。キックオフボールをキャッチした選手にドミネートタックルへ入るなど、ディフェンスで流れを生み出した。
ペナルティを獲得できれば、そこからロングタッチでゴール前へ。
モールを形成し、押し込む。
ファーストトライは前半12分。7番・駒井悠眞選手がグラウンディングした。
だが、前半の終盤は仕留めることに苦労した。
ゴール前に張り付きゲームを優勢に進めていたものの、取り切れないこと数度。
逆に大分舞鶴はワンチャンスをものにし、一発でトライを取り切る流れが続いた。
「前半からあれだけ攻め込んだのに、取り切れなかった。逆に大分舞鶴さんは、前半得た4回のチャンスを全部取り切った」(船戸彰監督)
全国選抜大会13回の経験を持つ大分舞鶴の『勝負強さ』を目の当たりにした。
7-26と19点のビハインドで前半を折り返す。
後半は一転、『取り切る』プレーが光った。
お膳立てしたのは、昨季から主力として活躍してきた選手たち。
No.8但木陽選手は20%増しの力強さで何度もボールを前に運び、この日2トライ。
12番・宮本和弥選手は小柄ながら持ち前の体幹を生かし、大分舞鶴の外国人選手を止めるタックルを見舞えば、後半12分には自らトライも決めた。
その起点となったのは、やはりセットプレーだった。
ラインアウトからモール。スクラムからの連携。
昨季の花園でも、天理を相手に圧倒したセットプレーは、後輩たちにしっかりと継承されていた。
「この1ヵ月間、モールで取り切りたいと準備をしてきました。モール、そこからのFW戦と準備してきたプレーが少しずつ出せるようになった」とHO宮元崇キャプテンは説明する。
前半終了時には19点もの差が開いていたが、後半31分に追いつき、31-31。
昌平は3度目の全国選抜大会挑戦にして初めて、1回戦を負けることなく60分を戦い終えた。
2回戦進出の行方は、抽選に委ねられた。
代表して宮元キャプテンが抽選会場に入ると、予備抽選で机の右側にあった封筒を引く。
そこには1番の文字が。続いての本抽選で、先に封筒を選ぶ権利を得た。
2度目の選択では左側にある封筒を引き、結果を待った。
『次戦出場権』の文字は、書かれていなかった。
肩を落とした昌平陣。
勝ちたかった。勝ちたい一戦だった。
埼玉県代表として戦うチームとして、どうしても勝利を届けたい人がいた。
全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会の実現に向け奔走した、埼玉県ラグビーフットボール協会 名誉副会長・尾崎良巳氏。
第26回大会の開会式が行われたその日に、永眠した。80歳だった。
