「引き分けだった時の勝敗のつけ方を分かっていなかった」佐賀工業、トライ差で敗れる。御所実業は「カッコエエ」先輩の応援を受け準決勝へ|第26回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会 準々決勝

3月27日(木)に行われた、第26回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会 準々決勝。

御所実業と佐賀工業の一戦は、なんと10-10の同点でノーサイド。

トライ数で上回った御所実業が、準決勝へと駒を進めた。

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準々決勝 御所実業 10-10 佐賀工業

御所実業

前半は全くエリアを取れず。敵陣で攻撃権を得ることができなかった御所実業。

「ディフェンスで前に出られなかった」と中谷圭部長は振り返った。

だがハーフタイムに「とにかく自分たちがやってきたプレーを」と竹田寛行監督からアドバイスを得た選手たちは「やるしかない」と気持ちを切り替える。

後半に2トライ、モールで奪い返した。

迎えた試合終了間際。

佐賀工業にロングキックを蹴り込まれると、タッチラインを割ったが時間を消費することなくクイックスローインを繰り返した御所実業フィフティーン。

「『ゆっくり』と(ベンチにいる)竹田先生に言われていたのですが、その声が聞こえていなくて、入れてしまった」と話したのは8番・津村晃志ゲームキャプテン。「今日はたぶんミーティング長いです」と笑った。

その後一度は佐賀工業にアタックチャンスを与えたが、ノータイムのコール後に蹴り込まれたボールを、最後はしっかりと蹴り出し勝利を掴む。

「相手が蹴ってきたのでびっくりした。ノータイムとレフリーさんが言っていたので『ボールを出そう』と」声を掛けたという。

新チームがスタートしたのは11月だった。

全国高校ラグビー大会奈良県予選決勝で天理に敗れると、ボールを触らない練習からスタートした。

ウエイトトレーニングに、倒れ方、タックルの入り方。

基本の動作を繰り返した。

「今日はその練習が実を結んだ」と津村ゲームキャプテン。

カウンターラックから外に振るラグビーをしたい、そこから敵陣に入ってモールを組みたい。

そのための始点となるディフェンス、そしてターンオーバーに、この日は及第点を与えた。

だが、かねてからの改善点もまた、ディフェンス時のペナルティ。気持ちが前のめりになりすぎてしまうことが、昨季からの課題でもある。

「ノットロールアウェーや立ち位置のオフサイド。そこをクリアしないと、(ペナルティゴールでの)3点が響く」と表情を引き締めた。


兄はリコーブラックラムズ東京でプレーする津村大志選手。「とにかくパッションでやれ」と助言を受けたという

津村晃志ゲームキャプテン

自分たちのラグビーがなかなかできなくて、空間に落としてくるキックを蹴ってくると研究してたのですが、そこになかなか対応できなかった。自陣で戦う羽目になってしまいました。

次の桐蔭学園戦では、基本のブレイクダウンと、攻撃する時間を得ること、またセットプレーでのミスを修正していきたいと思います。

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カッコエエな

今年、FWリーダーを務めるのはLO押野虎太朗選手。昨年はU17近畿ブロック代表としての活躍も光った。

今季のチームスローガンは『結束力』。そして今大会目標には『選抜を乗り越える』を掲げる御所実業。

「シーズンスタート当初は、みんなの方向性がバラバラでした。僕たちは、壁にぶつかった時に乗り越える楽しさを教わっています。だからその楽しさを味わいながら、人間的に成長する大会にしたいと思っています」

この日は、憧れの津村大志”先輩”も応援に駆け付けた。

「カッコエエな、と思っています」

1年前、当時大学4年生だった津村先輩が、2週間寮に寝泊りしながら指導してくれたこともあったという。

そんな憧れの先輩は「タックルとボールキャリーの力強さが良かった。試合の決め手は押野のタックルだった」と称えた。

いまの御所実業には、花園の景色を知る人がいなくなった。

今年こそは11月、天理に勝ちたい。そして日本一へ。

準決勝の相手は、桐蔭学園。

昨年の国スポでオール神奈川を相手に勝ち切った良いイメージそのままに、準決勝へと挑む。

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