“超速ラグビー”の核として──SH土永旭
「自分の武器を発揮して、チームにしっかりコミットしたいです」
そう語るのは、横浜キヤノンイーグルスの土永旭選手。日本代表が掲げるスローガン『超速ラグビー』の核となるスクラムハーフとして、テンポの創出や判断の速さが求められている。
「試合をコントロールすることを意識しています。ラックに入るスピード、ボールをさばくスピード。ディフェンスでもチームにコミットしながら、スペースをしっかり埋めていきたいです」
今春に大学を卒業し、リーグワン初キャップを獲得したばかりの土永選手。
「まだ足りないところは多いけれど、自分の力が認められていることはうれしい」と語る表情は、前を見据えている。
今合宿は初対面のメンバーも多いが「まずはコミュニケーションが大事」と、積極的に話しかける姿勢も忘れない。控えめながらも芯のあるまなざしが、チームのリズムをつくる。
まずはJAPAN XVの9番、そして日本代表の9番へ──。
「やるべきことをしっかりと理解しながら、ステップアップしていきたい」と表情を引き締めた。
「次のステップへ」FB竹之下仁吾
「日本代表に呼ばれて、試合に出たい。この夏のツアーを目指したいです」
そう語るのは、明治大学3年の竹之下仁吾選手。高校日本代表、U20日本代表、U23日本代表と着実にステップを重ね、ついには日本代表の一段階下のカテゴリーである『JAPAN XV』までたどり着いた。
今合宿では自身初めて、年齢が離れた選手とともにプレーをする。緊張するのではなく、自ら話し掛け、自らコミュニケーションを取ろうと意識しているのだと笑って言った。
「中学生の頃から知っていた選手と一緒にバックスリーを組めているのは、本当に考えてもいなかったこと。嬉しいです」
“憧れの選手”であるメイン平選手(リコーブラックラムズ東京)とプレーできることを、素直に喜んだ。
4月には、U23日本代表としてオーストラリア遠征に行ったばかりの竹之下選手。そこでジョーンズ日本代表HCからは、タックルと判断力、そしてハンドリングの改善を指摘された。明治大学に戻ればすぐさま、同HCから提示されたメニューを自主練に取り入れ、自らのマイナス面と真摯に向き合った。
一方で、強みとして評価されたのはボールを持っていないときの働き。ボールを生かすため、ボールを奪い返すため。縦横無尽に働く姿勢が、自身の“らしさ”として評価されていることに喜ぶ。
大学の授業もあるため、竹之下選手が今合宿に参加するのは20日まで。
与えられたチャンスは、20日のNZU戦ただ一つ。
「チームとしては、コミュニケーションをいっぱいとって、積極的にアタックしたい。僕自身はオフザボールでの『ゴールドエフォート』にこだわってプレーします」
桜のジャージーを手繰り寄せる戦いに挑む。