「やっと」たどりついた慶應志木67年目の初優勝、歓喜の涙。「憧れを超えたかった」川越東は涙の終幕|第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会埼玉県予選

8月31日に幕を開けた第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会 埼玉県予選。

記念大会となる今年は、埼玉県から2校が全国大会へと出場するため、トーナメントは2つの山に分かれて進行した。

11月15日(土)には熊谷ラグビー場Aグラウンドで決勝2試合が行われ、第2地区代表決定戦は慶應志木が川越東を21-19で下して初優勝。12月27日に開幕する、全国高校ラグビー大会への初出場を決めた。

&rugbyを応援する

試合内容

序盤の主導権をつかんだのは、川越東だった。

ラインアウトモールで一気にトライゾーンへ迫るも、パイルアップで得点ならず。

それでも攻撃のテンポは落ちない。素早い展開からタッチライン際を攻略し、最後は中央で15番・飯野幹也キャプテンがグラウンディング。

10番・岡部史寛選手のコンバージョンも決まり、川越東が0-7と先制した。

対する慶應志木は、川越東の粘り強いディフェンスに阻まれ、なかなか敵陣へ踏み込めない。

互いに分析の成果をぶつけ合い、ラインアウトでも圧力の掛け合いが続く。

キックでエリアを奪い合う展開の中、コンテストキック、ロングキックともに川越東がわずかに上回れば、迎えた前半25分、ラインアウトからモールを押し込み2本目のトライ。

0-12とリードを広げた。

しかし前半終盤、川越東に反則が重なり、慶應志木がトライライン前5mでの攻撃権を得る。

リモールを形成すれば、最後は6番・足達康興選手がトライを奪った。

9番・荒木大志選手のコンバージョンも成功し、7-12。

川越東の5点リードで前半を折り返した。

広告

後半は一転、慶應志木が流れを手繰り寄せる。

グラウンド中央でリモールを組むと、最後尾でボールを持った12番・浅野優心キャプテンが状況を見極め、左へ持ち出す。

するとモールとの間を走り込んだSH荒木選手へ放ったパスが通り、大きくゲイン。最後は5番・橋本瑛太選手が押し込み、コンバージョンも成功。

後半2分、慶應志木が14-12と逆転に成功した。

対して川越東も後半8分。

ラインアウトからワイドに展開し、振り戻したボールを13番・谷川史人選手が鋭いステップで縦へ突破。

トライを奪い返し、14-19。再び川越東が前に出る。

それでも、慶應志木には磨き上げてきた伝家の宝刀・リモールがあった。

後半19分、リモールからCTB浅野キャプテンが再びトライ。

コンバージョンも決まり、21-19。慶應志木が2点のリードを握り、勝負は最終局面へと移った。

ラスト10分。

自陣22m内であっても、慶應志木は迷わずリモールを選択した。

“こだわりを貫く”というチームの芯が、その判断に宿る。

最後に笑うのは、モールで前進する慶應志木か。あるいは、素早いワイドアタックでトライを狙う川越東か。

川越東の攻撃に対し、慶應志木はスティールで応戦するが、続く慶應志木のリモール形成時にオブストラクション。

再び川越東ボールへと、目まぐるしく攻撃権は移る。

試合はラストワンプレー。

敵陣深くのラインアウトを獲得した川越東は、恐れずロングスローを選択した。そのままモールで押し込み、トライラインへと迫った。

モールが崩れた後、FW戦に持ち込むと、ボールを持ち出したところで鳴ったホイッスル。

ローヘッドの反則が宣告された。

慶應志木が、創部67年目での初優勝。

埼玉県勢として10校目となる、全国高校ラグビー大会への出場権を手にした。

スポンサーリンク
広告