早いもので、ラグビーワールドカップ2019からもうすぐ1年。昨年の今頃は、続々と来日する選手たちに心躍らせていた方も多いのではないだろうか。たった1年で状況は一変し、国内でラグビーを観る機会がめっきり減ってしまった2020年を「ラグビータウンとしてのリスタート」と位置付けた開催都市がある。熊谷市だ。
リスタートした先に見据えるは「日本一のラグビータウン」。熊谷のラグビーを担う、熊谷市総合政策部ラグビータウン推進課の方々に意気込みを伺った。
左から 山﨑昌司主査、鯨井憲昭課長、新井未来事務員、木川隼吾主事、渡邊豊正主査
ラグビーワールドカップの、前と後
ーー昨年のラグビーワールドカップ2019(以下、ワールドカップ)では、多くの観客・スタッフ・ボランティアの笑顔が印象的でした。熊谷での反響を教えてください。
木川「僕の長男が昨年小学校を卒業したのですが、卒業アルバムに『将来の夢はラグビー選手』と書いている子が4・5人いましたね。ワールドカップ前では考えられなかったことです。熊谷市では市内の小中学生計1.4万人をワールドカップに招待したのですが、その結果が『将来の夢はラグビー選手』に繋がったと思うと、とても嬉しかったです。」
山﨑「大会期間中、近所の方から『ラグビー見に行ったよ、盛り上がったね』と声を掛けられたことを覚えています。それまでは『どこか遠い所で行われている存在』だったラグビーが、身近な所まで降りてきた。市民のラグビーに対するイメージが、ワールドカップの前と後で大きく変わったと実感しています。」
呼吸をするようにラグビーがある。ラグビーが生活の一部になる。そんな姿を夢見ている。(山﨑)
ーー子どもから大人までラグビーを好きになってくれたんですね。
渡邊「これまでもトップリーグの熊谷試合時には、市民優待や小中学生の無料招待をしていたのですが、正直あまり集客できなかった。それが、どうアプローチしても届かなかった層にラグビーを届けることができたんです。ワールドカップの効果を感じています。」