熊谷に住んでて良かったぜを生みだすリーダー|USUKING BAGEL 臼杵健

埼玉県北部、上越新幹線の停車駅でもある熊谷駅。

ラグビーロード沿いに3分程歩くと、臼杵健(うすきたけし)さんの経営するベーグル店「USUKING BAGEL/ウスキングベーグル」がある。

ここは、街中の情報が集まる場所。

困りごとがある人や、何か新しいことを始めたい人。はたまた行政までもが、臼杵さんのアイディアを求めに連日店を訪れる。


夫婦2人で店頭に立つ。エプロンはドラマ「ノーサイドゲーム」のグッズに一目惚れ

ラグビーとの出会い

ラグビーとの関わりは、2019年のラグビーワールドカップから。

ラグビータウンを称する熊谷に7年住んでいながら、それまでラグビーを見たこともなかった。

「2018年末に、市役所のラグビーワールドカップ2019推進室(当時)から突然連絡がありまして。ワールドカップを契機にラグビーで街を盛り上げるため、知恵を貸してくれないか、と言われたことがきっかけです。」

かくして、試合を見るよりも先に、ラグビーの楽しみ方について考え始めることになった。


ラグビーグッズコーナーには、所狭しとアイテムが並ぶ

飛び道具、とも称される臼杵さんの思考回路。

ラグビーのルールでフットサルをしてみたり、熊谷で試合を行う国の国歌をラグビー場で練習したり。ラグビーファンではなかったからこそ生まれたアイディアで、多くの人に対しラグビーの門戸を広げることに成功した。ラグビーワールドカップ2019終了後には、優勝国である南アフリカ大使館主催の祝賀会にもお呼ばれしたほどである。

精力的に活動した2019年。ラグビーのことばかり考えるうちに、気付いたら自分も家族もラグビーファンになっていた。

「日本人の感性に合うな、と思って。今では、パナソニック ワイルドナイツのファンクラブ会員です。」

楽しみが増えたことに、感謝している。


手書きで記した対戦カードは、試合毎に書き換える予定だ。奥様は「気付いたら書いてありました」と微笑む

最近は、ラグビー選手もプライベートでお店に買いにきてくれるようになった。

熊谷で合宿を行う、女子セブンズ日本代表候補選手たちが訪れることもあるという。

もちろん、ラグビーファンからの認知も高まった。

熊谷ラグビー場での出店時には、USUKING BAGELのテント前に行列ができる程。

また、今年の1月17日。当初予定していたトップリーグ開幕日には、とあるラグビーファンが店を訪ねてくれた。

「本来、予定通り幕を開けていたらその日過ごすはずだった工程を、試合がなくとも体験しようと電車に乗って熊谷までやって来てくれたそうで。延期になって悲しい、という気持ちを共有できる場所、ラグビーの話ができる場所、と思ってくれていたことが嬉しかったです。」

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