もっとできるのに。悔しいNECと、プライドを取り戻したヤマハ|TL第3節<NECvヤマハ>

HISTORY of YAMAHA Júbilo

前節、リコーブラックラムズに1点差で敗れたヤマハ。

プライドを取り戻すためにも、今日は勝たなければならない試合だった。

「どう自分たちが変わるのか、ということにフォーカスを置いてきた」と語った大戸裕矢キャプテン。

リコー戦では前に激しくディフェンスが出てくると、ボールを下げてしまった。そこを下げないために何が必要か考えた一週間だった、という。

「スペースにボールを運べたことは評価したい。結果として勝ち点5を獲得できたことには満足しています。ただ、まだ成長できる所はたくさんある。(堀川GM兼監督)」

ヤマハが強みとしてきた時間帯に失点を重ねた所は、次戦に向けての課題だ。

密度の濃い今シーズン。堀川監督は日本一を目指す中で「勝ち方にもこだわっていきたい」と話す。

「日替わり定食のように毎週メンバーが変わっているが、若い選手を思い切って起用するゲームも必要。調子のいい選手、練習で成果を残している選手にはチャンスを与えたいですね。ベテランもバランスを見ながら起用していきたいと思います。」

次節はいよいよ、ファーストステージ唯一のホームゲーム。

「マインドは成長できたが、試合内容はまだ伸びしろがある。ヤマハらしい試合が出来るよう、準備していきます。(大戸キャプテン)」

His story of Ayumu Goromaru

素晴らしいラグビー選手は数多くいれど、人を呼べるラグビー選手は一握り。

五郎丸歩選手は、間違いなくそのうちの1人だ。

五郎丸選手がプレイスキックを蹴る準備に入ると、近くの観客席に座る9割方の人は一斉にカメラを構える。

画面越しにルーティンを見守ると、シャッターを切る音が響いた。

今季限りでの現役引退を表明したのは、昨年末。ラグビー界のヒーローの勇姿を逃すまいと、秩父宮には多くのラグビーファンが集まった。中には、五郎丸選手目当てであろう女性グループの姿も。

思い起こせば、2015年のラグビーワールドカップで一躍時の人となった五郎丸選手。

ラグビーのルールは知らなくても、五郎丸という名前は多くの人が知っている。スポーツニュースのトップにラグビーを持ってこれる、数少ない選手だ。

自身にとってはラグビープレーヤーとして集大成となる今シーズン。だが、やるべきことはいつもと変わらない。ヤマハらしくキックでエリアを稼ぎ、敵陣でセットピースから得点を重ねるための役割を果たすだけ。

「ヤマハに入ってから、トップリーグチャンピオンになったことがない。このラストチャンス、チーム一丸となって結果を残したい。」

自身の母の誕生日だったこの日、1トライ5ゴールの活躍でMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)を獲得。堀川監督からも「前半20分のゲームコントロール力。それと彼のリーダーシップが良かった」と称えられたベテランは、残りの試合もチームにフォーカスを置く。

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