HISTORY of YAMAHA Júbilo
「見ての通り完敗。自分たちがチャンスをものにできず、ミスから得点された。パナソニックさん相手にやってはいけないことを自らしてしまったことが敗因です。」
試合後の記者会見で、堀川隆延監督はそう答えた。
前半、ヤマハが犯した反則は全部で7つ。
得意のセットピース、特にスクラムでは上回ったが、接点での反則が響いて中々スコアに結び付かない。
試合序盤、苦しい時間帯が続いた。
「エナジー持ってフォワード!」
そんな声がグラウンドから聞こえてきたのは、前半も35分を過ぎた頃。自陣でのラインアウト前に、フォワードが集まって声を掛け合った。
するとオフロードの連続から一気に陣地を進め、五郎丸歩選手に代わって入ったばかりの23番サム・グリーン選手がタッチライン際を走り込む。最後はまたしても華麗なオフロードから11番マロ・ツイタマ選手がトライ。
欲しかったスコアを、ボールを動かすヤマハラグビースタイルで奪った。
「自分たちが目指すヤマハのラグビースタイルを、これまでは選手たちがなんとなく理解している部分があった。それが神戸・ドコモとのここ数試合で、ようやく理解し、実行できるようになってきた。なぜそこにボールを放り、なぜここにポジショニングするのか。もちろんヤマハはセットピースからのプレーも重要視しますが、ボールが動くことも大切にしたいと考えています。」
シーズン前、充分な練習試合を組めなかった。だからこそ、実践を重ねることで理解を深めていくのが2021年の闘い方だ。
試合終わってみれば、55-19と5トライ差をつけられての敗戦。
だが、この日ゲームキャプテンを務めたヘルウヴェ選手は肩を落とさない。「自分たちに良い所もたくさんあった。プレーオフトーナメントへの良い勉強になりました。」
プレーオフでは指揮官が掲げる「ヤマハラグビー」を体現できるか、注目だ。
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